フランスのエピファニー(公現祭)に食べられる、フランス伝統菓子ガレットデロワのレシピ。フランスでは年が開けると一斉にガレットデロワというお菓子がケーキ屋さんの店頭に並び始めます。
レシピ動画
動画の 4:42 のところで "3倍" の長さにのばします、と書いてますが "2倍" の間違いです!
(約18x30 cm)の数字の方は合ってます。
すみません!
ガレットデロワの食べ方
ガレットデロワとは1月6日(公現祭)をお祝いして食べるお菓子と言われていますが、新年に始まり1月中はしょっちゅう食べる機会のあるお菓子です。
このガレットデロワの中にフェーヴという陶器の小さい人形が入っていて、一切れづつ切り分けた時にフェーヴに当たった人が女王様・王様になれるのです。売られているガレット・デ・ロワにはたいてい紙でできた王冠が付いてきて、フェーヴに当たったらその王冠をかぶり相手の王様・女王様を選びます。
パティスリーでのアレンジ
ガレット・デ・ロワのお菓子自体はクレーム・フランジパーヌをパイ生地で包み表面に模様を描いただけのシンプルなものです。(クリームフランジパーヌとは、アーモンドクリームにカスタードクリームを混ぜたものです)
それがパリの有名パティスリーでは毎年華やかにアレンジされて店頭に並びます。サダハルアオキの抹茶風味のガレットやジャンポールエヴァンのチョコレートガレット、ラズベリー・ライチ・ローズの組み合わせで有名なピエールエルメの「イスパハン」という名前のマカロンのガレット版など、クリスマスが終わり新年を迎えたショーウィンドウを華やかに飾ります。
元々がシンプルな伝統菓子なだけに、中のクリームの味を変えたりドライフルーツを入れたりいろんなアレンジができそうです。
中に入ったフェーヴもパティスリーごとに毎年コレクションが変わるので、このフェーヴコレクターもいてガレットデロワではなくフェーヴだけを買いにパティスリーをまわる人もいます。
ガレットデロワとピティヴィエの違い
ガレットデロワと同じ外見のピティヴィエというフランスのロワレ地方の伝統菓子があり、私も同じものかと思っていましたが、違いは中のクリームにあるようです。
ピティヴィエの方は中のクリームがアーモンドクリーム、ガレットデロワの方はクレーム・フランジパーヌを使うようです。(Pithiviers,wikipedia,仏)
とは言っても1月に出回るガレットデロワにも明らかにアーモンドクリームのものもありますし、そもそもフランス人の中でもクレームフランジパーヌとアーモンドクリームを明確に区別していない人多くいるようです。なのでガレットデロワとはエピファニーに食べる、ピティヴィエの中にフェーブが入ったもの、というのがフランスでの大体の人の認識なのではと思います。
ガレットデロワの作り方
今回は本当に基本の基本、シンプルで本格的なガレットデロワのレシピを。
パイ生地はフィユタージュ・アンヴェルセという、逆折込みパイ生地で作っています。通常のパイ生地は、デトランプと呼ばれる小麦粉に水、塩などを加えて混ぜ合わせた生地にバターを包み込んで折り込んでいくフィユタージュ・オルディネールというパイ生地で作りますが、フィユタージュ・アンヴェルセ の場合、小麦粉を混ぜたバターでデトランプを包んでいきます(アンヴェルセとは逆、という意味)。
フィユタージュ・アンヴェルセ で作ると、焼き上がりの浮き上がりや口溶けが良くなります。これはバターに含まれる水分が加えた小麦粉に吸収される為、バターとデトランプとのなじみが少なくなる為一枚一枚の層が際立つ為です(プロのためのわかりやすいフランス菓子より)。
フェーヴは陶器のものが手に入ればもちろんよいのですが、手に入りづらい方や小さなお子様がいて誤飲が心配な方はアーモンドを一粒入れてフェーヴの代わりに代用してください。
ガレットデロワの上面に描く模様はいくつかパターンがありますが、私はシンプルで綺麗な模様ができる渦巻き模様を描くのが好きです。中心から着地点を決めて描けばわりと簡単にできますが、うまくできない場合は円形の型の底やお皿を使えばきれいな半円を描けます。
パイ生地を作ります(フィユタージュ ・アンヴェルセの投稿を参考にしてみてください)。または市販の冷凍パイシートでも。
シロップは材料を小鍋に入れひと煮立ちさせ砂糖を完全に溶かしてから冷ましておきます。
パイ生地を半分にわけ綿棒でのばし、それぞれ18cmの円形に切り抜きます。使うまで冷蔵庫で冷やしておきます。
カスタードクリーム
鍋に牛乳とバニラビーンズ(縦に切り込みを入れて種をしごき出し、サヤごと加える)を入れて沸騰直前まで温めます。
ボールに卵黄とグラニュー糖、コーンスターチを入れてホイッパーでよく混ぜ合わせます。
沸騰した牛乳をボールに半量加えて溶きのばし鍋に戻し、ホイッパーで底が焦げないように中火で混ぜ続けます。クリーム状になり、一度少し固くなってから混ぜ続けるとツヤが出てなめらかになるのでそこまでしっかり混ぜます。
バットに移して素早く熱をとり、ラップを密着させて冷蔵庫で冷やします。
アーモンドクリーム
ボールにバターを入れてホイッパーで柔らかくなるまで練り、粉砂糖を加えて混ぜ合わせます。
溶いた卵を少しづつ加えてしっかり混ぜ合わせます。
アーモンドプードルを一度に加えてまとまるまで軽く混ぜ合わせ、ラム酒を加えます。アーモンドクリームの完成です。
アーモンドクリームにカスタードクリームを加え(クレームフランジパーヌ)、ホイッパーでよく混ぜ合わせます。大きめの丸口金をセットした絞り出し袋に入れておきます。
組み立て
天板の上にオーブンペーパーをひき1枚目のパイ生地をのせます。クレームフランジパーヌを内側から円形に絞り出します。縁は3cmほど残します。口金の大きさによって、クリームが余って高さが足りないようならもう一段上にクリームを絞ります。フェーブ(アーモンド)を置き、軽く押します。
縁に刷毛で水を塗り、2枚目のパイ生地を被せます。 この時、パイ生地の向きを45度角度を変えてのせると、焼き縮みによる変形を防ぎ易くなります。空気が入らないようにぴったりと重ね、縁を押さえて密着させます。
指でふちに軽くあとをつけていき、間に切り込みを入れます。
溶き卵のドリュールを表面に塗ります。この時重なったパイ生地の断面には塗らないように気をつけるます。パイ生地の浮きが悪くなる原因になります。
一度冷蔵庫に入れ生地を休ませる+ドリュールを乾燥させます。
生地に模様をつけていきます。最初に中心と着地点を決め、そこから均等に弧を描いていきます。これは表面に模様を描くだけで、パイ生地を下のクリームの層まで切ってしまわないように注意してください。切ってしまうと焼いている途中に中からクリームが飛び出してしまいます。かといって切り込みが浅すぎるとパイ生地の模様が浮き上がらないので、適度に切り込みを入れます・・!
最後に切り込みに沿って爪楊枝で4、5箇所穴をあけます。
180度のオーブンで1時間程度焼きます。上面が焦げるようなら適宜温度を下げて調節してください。
焼きあがったら熱いうちに刷毛でシロップを表面に塗りツヤを出します。
ガレットデロワを作ろう
シンプルながらパイ生地から作ると結構な時間がかかりますが、フランスでは幼稚園でも子供達で作るような簡単なお菓子です。市販のパイシートをのばしてアーモンドクリームだけ作って混ぜ合わせ、好きな模様をそれぞれが描き楽しんで作っています。なのでパイ生地から作るのは大変、と思われる方はご自宅でも冷凍のパイシートを使って簡単にどんどん作ってみてください。
出来上がりの暖かさが残るうちに食べるとパイ生地のサクサクと中のクリームのなめらかさがより際立って美味しく食べられます!
使用する材料
使用する道具
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本格パイ生地!ガレットデロワのレシピ
- Total Time: 1 hour 50 minutes
- Yield: 1 台(18cm) 1x
Description
パイ生地にアーモンドクリームを入れて焼き上げた、新年に食べられるガレットデロワのレシピです。
Ingredients
逆折り込みパイ生地(フィユタージュ ・アンヴェルセ)
- バター生地(外生地)
- 190 g 無塩バター
- 40 g 薄力粉
- 40 g 強力粉
- デトランプ(中生地)
- 90 g 薄力粉
- 90 g 強力粉
- 60 g 無塩バター
- 75 ml 冷水
- 5 g 塩
カスタードクリーム
- 1個 卵黄
- 25g グラニュー糖
- 100 g 牛乳
- 10 g コーンスターチ
- ¼ 本 バニラビーンズ
アーモンドクリーム
- 50 g 粉砂糖
- 50 g 無塩バター
- 50 g アーモンドプードル
- 1個 卵
- 10 g ラム酒
ドリュール (塗り卵)
- 1 個 全卵, 溶きほぐして濾す
シロップ
- 50 g グラニュー糖
- 20 g 水
- 10 g 水飴またははちみつ
Instructions
- フィユタージュ ・アンヴェルセを作ります。または市販の冷凍パイシートでも。
準備
- パイ生地を半分にわけ綿棒でのばし、それぞれ18cmの円形に切り抜きます。使うまで冷蔵庫で冷やしておきます。
- シロップは一煮立ちさせ砂糖を完全に溶かしてから冷ましておきます。
- オーブンはガレットデロワを焼くタイミングに合わせて180度に温めておきます。
カスタードクリームを作ります
- 鍋に牛乳とバニラビーンズ(縦に切り込みを入れて種をしごき出し、サヤごと加える)を入れて沸騰直前まで温めます。
- ボールに卵黄とグラニュー糖、コーンスターチを入れてホイッパーでよく混ぜ合わせます。
- 沸騰した牛乳をボールに半量加えて溶きのばし鍋に戻し、ホイッパーで底が焦げないように中火で混ぜ続けます。クリーム状になり、一度少し固くなってから混ぜ続けるとツヤが出てなめらかになるのでそこまでしっかり混ぜます。
- バットに移して素早く熱をとり、ラップを密着させて冷蔵庫で冷やします。
アーモンドクリームを作ります。
- ボールにバターを入れてホイッパーで柔らかくなるまで練り、粉砂糖を加えて混ぜ合わせます。
- 溶いた卵を少しづつ加えてしっかり混ぜ合わせます。
- アーモンドプードルを一度に加えてまとまるまで軽く混ぜ合わせ、ラム酒を加えます。アーモンドクリームの完成です。
- アーモンドクリームにカスタードクリームを加え(クレームフランジパーヌ)、ホイッパーでよく混ぜ合わせます。大きめの丸口金をセットした絞り出し袋に入れておきます。
ガレットデロワを成形します
- 天板の上にオーブンペーパーをひき1枚目のパイ生地をのせます。クレームフランジパーヌを内側から円形に絞り出します。縁は3cmほど残します。口金の大きさによって、クリームが余って高さが足りないようならもう一段上にクリームを絞ります。フェーブ(アーモンド)を置き、軽く押します。
- 縁に刷毛で水を塗り、2枚目のパイ生地を被せます。 この時、パイ生地の向きを45度角度を変えてのせると、焼き縮みによる変形を防ぎ易くなります。
- 空気が入らないようにぴったりと重ね、縁を押さえて密着させます。
- 指でふちに軽くあとをつけていき、間に切り込みを入れます。
- 溶き卵のドリュールを表面に塗ります。この時重なったパイ生地の断面には塗らないように気をつけるます。パイ生地の浮きが悪くなる原因になります。
- 一度冷蔵庫に入れ生地を休ませる+ドリュールを乾燥させます。
- 生地に模様をつけていきます。最初に中心と着地点を決め、そこから均等に弧を描いていきます。これは表面に模様を描くだけで、パイ生地を下のクリームの層まで切ってしまわないように注意してください。切ってしまうと焼いている途中に中からクリームが飛び出してしまいます。かといって切り込みが浅すぎるとパイ生地の模様が浮き上がらないので、適度に切り込みを入れます・・!
最後に切り込みに沿って爪楊枝で4、5箇所穴をあけます。 - 180度のオーブンで1時間程度焼きます。上面が焦げるようなら適宜温度を下げて調節してください。
- 焼きあがったら熱いうちに刷毛でシロップを表面に塗りツヤを出します。
Notes
・簡単に作りたいという方は、冷凍パイ生地を使ってアーモンドクリームだけで試してみて下さい。それだけでも十分美味しくできます!
・中に入れるフェーヴが手に入らなければ、アーモンドの粒などで代用できます。
- Prep Time: 1 hours
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 50 minutes
- Category: 焼き菓子
- Cuisine: フランス
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
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