濃厚でなめらかなカスタードと、サクッと香ばしいタルト生地が絶妙にマッチした、フランスの国民的お菓子「フラン」のレシピをご紹介します。おうちでも気軽に楽しめるシンプルで作りやすいレシピです。

シンプルなのに飽きない。フランのおいしさの秘密

フランスの国民的お菓子「フラン」のレシピです。
フランは、フランスではとてもポピュラーなお菓子で、パティシエの中にはこのお菓子に強いこだわりを持っている人も多いです。日本ではあまり馴染みがないお菓子ですが、日本でいうと、みんなに愛されていて、お店ごとに個性があるシュークリームのような存在かもしれません。そんな位置づけが、フランスでは"フラン"のような気がします。
ちなみに、フランスでこのお菓子をよく見かけるのは、パティスリーよりもパン屋さん。パンと一緒にいくつかお菓子も並んでいて、その中にフランがあるというイメージが強いです。ただ、よく見かけるフランって、クリームがちょっと乾いていたりして、あまり美味しそうに見えなかったりするんですよね。たまに試しに買ってみても、「うーん、まぁこんな感じか…」という味で、正直あまり感動することはありませんでした。
そんなこともあって、今まで自分で作ることもあまりなく、レシピにもこだわったことがなかったんですが、もともとタルトとカスタードが大好きなので、「なめらかで、クセがなくて、シンプルだけど飽きない、そんな理想のフランを作ってみたい!」と思い、いろんなレシピを試してみることにしました。
そこで行き着いたのが2024年に「世界最高のパティシエ」に選ばれた、ニナ・メタイエさんのフランのレシピです。
最初はレシピを見て、「カスタードにしては卵黄が少なめかも?」とか、「クリーム炊いてみたけど、甘さもコクもなんだか控えめでちょっと物足りないかも…」なんて思ったのですが、タルトと一緒に焼き上げて食べてみるとおいしい!
タルトとのバランスがとても良くて、食べても食べても全然飽きない!しかも時間が経ってもクリームが乾かないんです。
考えてみると、卵黄をたっぷり使って濃厚にしたカスタードって、確かに時間が経つと乾燥しやすくなることがありますよね。でもこのレシピでは、卵黄は控えめで、その分生クリームを多めに使ってコクを出しているから、乾燥しにくく、なめらかさが長続きするんだと思います。シンプルなタルトとカスタードの組み合わせなのに、ちゃんと奥行きがあって、最後まで美味しく食べられる味わいになっています。
フランスでよく見るフランは、黄色が強くて乾燥気味なものが多いんですが、このレシピのクリームは少し白っぽい仕上がり。最初は大丈夫かな?と思ったけど、タルト生地と合わせるとさっぱりしつつもなめらかで、クリームが多くても重くなく食べやすいんです。そして、時間が経っても美味しさが変わらない、絶妙なバランスのフランになりました。
簡単に作れる!フランス式タルト生地でサクとろフラン

フランは世界中で親しまれているお菓子で、国によって作り方にも違いがあります。今回いろいろなレシピを調べてみたところ、こんな傾向がありました。
日本のレシピでは、タルト生地を一度空焼きしてからカスタードを流し入れて焼くのが主流。一方でフランスのレシピでは、空焼きせずにそのままクリームを注いで焼くことが多いようです。(ちなみにアメリカではタルト生地ではなくパイ生地を使っているレシピが多かったです。)
実際に両方の方法で作ってみたら、空焼きした方がタルトはやっぱりサクサク。でも、イタリアのクロスタータみたいに、ベーキングパウダーを入れてちょっとふんわりさせる生地もあったりして、サクサクにこだわらないレシピもけっこうあるんです。だからイタリアやフランスでは、「タルト=サクサクじゃなきゃダメ!」って感じじゃなくて、いろんな食感を楽しんでるんだなと思ったりもします。
とはいえ、やっぱり一番の理由は「空焼きってちょっと面倒だから」なんじゃないかなとも思います。フランって、フランスの家庭で昔から親しまれてきた素朴なお菓子なので、できるだけ手間をかけずに作れる方がうれしいのかもしれません。
実際にフランスのレシピをいろいろ見てみても、タルトを重石をのせて空焼きしているものって、あんまり見か蹴ません。もちろん、最近は穴あきのタルトリングとシルパンを使えば(レシピはこちら)、重石なしでもきれいに空焼きできる方法が広まってきてはいるんですが、やっぱりフランに関してはそこまで手間をかけないレシピが多い印象。タルトにカスタードをそのまま流して焼くだけ、という本当にシンプルな作り方が主流です。
というわけで今回は、フランス式の「空焼きなし」で作ってみました。タルト生地を型に敷いて、カスタードを流して焼くだけなので手軽に作れます。よりサクサク感を楽しみたい方は、タルトを空焼きしてからカスタードを流し入れてもOKです。お好みでアレンジしてみてください!
材料
タルト生地

カスタードクリーム

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準備
- 天板にシルパンまたはオーブンシートを敷いておきます。
- オーブンを使う10分前に180度に温めておきます。
タルト生地を作る

ボウルにふるった薄力粉、粉砂糖、アーモンドプードル、塩、ダイス状に切ったバターを入れ、カードでできるだけ細かく刻みます。

卵を加え、ひとまとまりになるまで混ぜ合わせます。

生地を台の上に取り出してひとまとめにし、ラップで包んで冷蔵庫で1時間〜一晩休ませます。

タルトの側面用の生地を作ります。
作業台にラップを敷き、その上にルーラーをセットします。バーの間隔は、タルト型の高さに合わせて調整します(今回使用した型の高さは6cm・厚みは4mmにしています)。

タルト生地の約半量をラップの上にのせ、その上からもう一枚ラップをかぶせます。生地を細長く伸ばします。
タルト型に生地を敷く

生地を型の側面にぴったりと押し付けて貼り付けます。

重なった部分の余分な生地は切り取り、つなぎ目に隙間ができないように指でしっかりと押さえてなじませます。

タルトの底用の生地を作ります。 作業台にラップを敷き、その上にルーラーをセットします。生地をのせたら、さらにもう一枚ラップをかぶせ、めん棒で均一に伸ばします。 タルト型よりひと回り小さい円形にくり抜きます。

底の生地を型に敷き込みます。指で軽く押さえて、側面の生地としっかり密着させ、一体化させます。

タルトリングからはみ出た生地はナイフで丁寧に切り取り、冷凍庫で最低でも1時間しっかり冷やします。





mia says
いつも素敵なレシピをありがとうございます。
質問なのですが、タルト生地の厚さは何ミリにされていますか?それと、海外のレシピに多いのですが、フィリングをタルト生地に流してから一旦フリーザーで冷したり、冷蔵庫で一晩置いてから焼成するパターンがあるようですが、これをする理由は何なのでしょう?
フランスのフランは固めのクリームだと聞きましたが、私はできるだけ口溶けがよくて柔らかいフィリングを目指したいのですが、もしよかったら何か、アドバイスいただけたら嬉しいです。
Chicca Food says
こんにちは、
タルトの厚さをレシピに記載し忘れていました、厚さは4mmです!
あと、フィリングをタルト生地に流してから一度冷やしてから焼く理由ですが、これはクリームを一度冷まして落ち着かせることで、焼いている最中にフィリングが膨らんでタルトのふちから吹きこぼれるのを防ぐためのようです。
実際に、私も最初に試作したとき、タルトのふちギリギリまでフィリングを入れて焼いたら、焼いている途中にふくらんで溢れてしまいました・・
動画の最初の方でもわかるように、オーブンに入れるとクリームは結構ふくらみます。
でも、タルトの8分目くらいまでフィリングを入れておけば、多少ふくらんでも吹きこぼれずに焼けるので、私は今回は冷やす工程は省略しています。
それから、フランスのフランについてですが、おっしゃる通り、固めで少し乾いたようなクリームが多い印象ですよね。
私がなめらかで口溶けのよい食感に仕上げるために工夫している点は、
・カスタードを炊くとき、普段より少し早めに火を止めること(普段は沸騰後に数分混ぜますが、今回は沸騰して1分ほどで火を止めています)。
・卵黄はカスタードクリームより少なめ。
・その分、生クリームを多めに使っています。
このバランスにすると、焼き上がってもしっかり火が入るのに固くなりすぎず、なめらかな食感が続くのでおすすめです!