サクサクの口当たりで、ミルフィーユやアップルパイなどに使われるパイ生地。焼き上がりのびっくりするくらい香ばしくサクサクの味わいは手作りならでは。初めてでも作りやすい簡単なレシピやプロが使用する口溶けの良いレシピまで、折り込みパイ生地の代表的な作り方を3つ、紹介します!
パイ生地、なぜ層になる?
パイ生地は小麦粉、塩、水を混ぜて作った生地とバターの層を別々に作り、小麦粉の生地とバターを混ぜ合わせないようにしながら薄い層に仕上げていきます。
つまり小麦粉の生地とバターのふたつの層ができている生地です。
これを何層にも折り込んでいくことで、小麦粉の層とバターの層が何層にも重なり合い、たくさんの層ができます。
そしてこの生地を焼き上げたときにバターの層が溶けて生地だけが残ります。溶けたバターの層は生地に吸収され、残った生地はバターで揚げられた状態で風味が増します。そしてバターの水分が生地を持ち上げるのでパイは膨らみ、膨らんだ後バターは蒸発するので空洞になり、パイ生地が完成します!
手作りパイ生地の種類
小麦粉の生地とバターの生地が幾重にも重なることでできるパイ生地。それでは実際どうやってパイ生地を作るのか作り方を早速みていきます。
パイ生地は実はいくつも作り方があり、主な作り方は3つ。
速成折り込みパイ生地
フィユタージュ・ラピッド(Feuilletage rapide)とも呼ばれ、パイ生地の中で一番簡単に短時間でできる作り方です。小麦粉に角切りにしたバター、塩、水を加えてざっくりまとめてそのまま折り込んでいきます。
口溶けは他の二つの作り方に比べてやや劣りますが、水分が多いクリームや果物と合わせても食感が失われにくいので、お惣菜パイなどを作るときに便利です。
お菓子をあまり作ったことがないけれどパイ生地を手作りしてみたい!という方は最初にこの作り方で作ってみると失敗がありません。
折り込みパイ生地
フィユタージュ ・オルディネール(Feuilletage ordinaire)とも呼ばれる、もっとも基本の作り方をするパイ生地です。小麦粉、水、塩で小麦粉の生地を作りバターを包んで折り込んでいく方法です。
特徴は速成折り込みパイ生地より口溶けが良く仕上がります。
パイ生地を手作りしてみたい!という方に挑戦してもらいたい作り方です。
フィユタージュ ・アンヴェルセ(Feuilletage inversé)とも呼ばれる生地です。
逆折り込み!とは変な感じですが、これはなんとバター生地で小麦粉の生地を包んで折り込んでいくという方法です。
一体誰がこんなやり方最初に考えたんだろう・・・!という方法ですが、実はこの3つの方法の中で一番浮き上がりも良く、サクサクながら口でホロホロと溶けるような食感に仕上がります。すごい。
最近ではフィユタージュ ・オルディネールよりこちらの方が主流では?というほどパティスリーではよく使われている製法です。
ガレットデロワやパイ生地で作る焼き菓子など、生地そのものを味わえるお菓子に向いています。
手作りパイ生地の保存方法
冷凍保存
いづれのパイ生地も冷凍保存できます。手間がかかるので少し多めに作って冷凍しておくのもおすすめです。冷凍庫で二週間ほど保存ができます。
冷凍保存したあとも作りたてのときのようにボリュームのある浮き上がりが欲しい!というときは三つ折りを4回した後で冷凍保存し、解凍後三つ折りをさらに2回行う方法があります。少し手間ですが、こうすると浮き上がりが失われないので作りたてそのままのように使うことができます。
解凍するときの注意点は、冷蔵庫に移してゆっくりと解凍すること。常温解凍してしまうと水分が出てパイ生地に付着して浮きが悪くなってしまうことがあります。
冷蔵保存
冷蔵の場合は手作りするパイ生地によります。
速成折り込みパイ生地はバターとパイ生地のなじみが早いので時間がたてばたつほど浮きが悪くなるので、できるだけ早く使い切ります。
折り込みパイ生地もできるだけ早く使った方が良いですが、私はバター生地に小麦粉を混ぜたレシピを使っているので、バターとデトランプのなじみは若干ゆっくりです。それでも2日以内には使い切った方がいいです。
逆折り込みパイ生地は4日の冷蔵保存が可能です。
パイ生地を作ってみよう!
ちょっと複雑な行程もありますが、出来上がった時の味は絶対に満足できる手作りのパイ生地。
実は自己流でうちでお菓子作りをしていた頃、初めてお菓子教室へ行って習ったのがこのパイ生地でした。そこで初めてバターとは?小麦粉とは?パイ生地がなぜ膨らむのか?とお菓子作りの素材や技術に気づかせてくれてお菓子作りにますますのめり込むきっかけとなったのが折り込みパイ生地でした。
みなさまの手作りの何かのきっかけになることを祈って・・・ぜひ作ってみてください!
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