砂糖の種類はたくさんあってどれを選んで良いのかわからないことがありますよね。どのお菓子にどの砂糖を使ったらいいのだろう?砂糖控えめにしたいけどどのレシピでどれだけ砂糖を減らせるだろう?いろんなお菓子を作れば作るほど疑問が湧いてきました。
たくさんの疑問を解決するために、砂糖の種類や、お菓子作りに砂糖はどんな効果を果たしているのかまとめてみました!
砂糖の原料
サトウキビ、てんさい(砂糖大根・ビート)、その他(砂糖楓、砂糖やしなど)
砂糖の分類
分蜜糖、含蜜糖
お菓子作り、砂糖の役割
お菓子をしっとりさせる、腐りにくくする、焼き色をつける、デンプンの老化防止、油の酸化を抑える、タンパク質の凝固をやわらげる、泡を安定させる、発酵を促進させる
主な砂糖の種類
グラニュー糖、上白糖、三温糖、カソナード、ヴェルジョワーズ(ブリュン)、マスコバド糖、黒糖、粉糖、ワッフルシュガー(パールシュガー・あられ糖)、水あめ・コーンシロップ ・グルコースシロップ、はちみつ、メープルシロップ、ゴールデンシロップ
砂糖の原料
・サトウキビ
・てんさい(砂糖大根・ビート)
・その他(砂糖楓、砂糖やしなど)
砂糖の分類
・分蜜糖
原料から搾り取った「糖汁」を煮詰めてショ糖を結晶化させ、糖蜜と結晶を分けて結晶のみを取り出した砂糖。すっきりとした甘さ。グラニュー糖、上白糖など。
・含蜜糖
「サトウキビ」の絞り汁をそのまま煮詰めて全体を固めた砂糖。ミネラルを多く含み風味が豊かで特徴的。マスコバド糖、黒糖など。
お菓子作り、砂糖の役割
・お菓子をしっとりさせる
お菓子の甘みを抑えたいとレシピから砂糖の量を減らしたらパサパサになってしまった、ということはありませんか?砂糖には保水作用があり、お菓子をしっとりさせる働きがあるので必要以上に減らしてしまうとパサパサな食感になってしまいます。
・腐りにくくする
同じように甘みを抑えたジャムを作ろうと砂糖を減らしてしまうと腐りやすくなってしまいます。これは砂糖がカビや最近が繁殖するのに必要な水分を吸収してくれるため。適切な量を加えないと保存性が落ちてしまいます。
・焼き色をつける
お菓子を焼くと茶色く変色して香ばしいかおりがしますよね。これは糖とアミノ酸がメイラード反応をおこして美味しそうな焼き色とかおりがつくためです。
・デンプンの老化防止
ご飯やパンは時間がたつと固くなってしまいますが、砂糖を加えることでデンプンの老化を防ぎ柔らかく保つことができます。
・油の酸化を抑える
クッキーやケーキなどのバターの風味は砂糖によって守られています。砂糖を加えることで油の中の水分を砂糖と結合させて酸素を取り込みにくくし、酸化を抑えます。
・タンパク質の凝固をやわらげる
プリンなどを作る時、砂糖を加えることで卵や牛乳の凝固温度が高くなり固まりにくくなることで、よりやわらかでなめらかな口あたりになります。
・泡を安定させる
砂糖は卵白や生クリームに含まれている水分を保持する働きがあります。そのため、キメが細かく安定した泡を作ることができます。
・発酵を促進させる
砂糖がイーストのエサとなり発酵を促進させる働きがあります。パンを作る時、生地に少しの砂糖を加えることがよくありますが、これは砂糖を加えることでパンの発酵を助ける為です。
主な砂糖の種類
・グラニュー糖
サトウキビから作られる、純度が高いサラサラの砂糖。クセがないすっきりとした甘さでどんなお菓子にも向きます。海外で砂糖といえばこれ。レシピに「砂糖」とあればとりあえずグラニュー糖を使えば間違いありません。
・上白糖
結晶が細かくしっとりとした砂糖。日本にいる時はあまり考えずこればかり使っていましたが、日本独特の砂糖なんですね。グラニュー糖に転化糖を添加して作られているので、焼き色がつきやすくしっとりさせたいお菓子に向きます。
・三温糖
上白糖・グラニュー糖を分離して残った糖液を数回加熱してカラメル色をつけた砂糖。色が茶色なので精製が低くミネラル豊富と思われがちですが、上白糖・グラニュー糖と栄養分はほとんど同じです。独特の風味と香ばしさを生かして素朴な焼き菓子などに使うのがおすすめです。
・カソナード
フランス産の砂糖で、その多くはインド洋のレユニオン島で産出される、サトウキビから作られる精製されていない砂糖です。クレームブリュレの上にふりかける砂糖として有名かもしれません。ラム酒やバニラの香りがあり、お菓子に使うと深みのある甘さが出ます。
・しっとりやわらかい・アメリカンチョコチップクッキー
・しっとり香ばしい・ピーナッツバタークッキー
・香ばしくほろ苦い。りんごのキャラメルパウンドケーキ
・ヴェルジョワーズ(ブリュン)
原料はてんさい(砂糖大根・ビート)で、結晶化させた砂糖をとった後に残ったシロップを煮直して2回目に再結晶させたフランスの砂糖。色が濃くしっとりしています。色の割にはさっぱりした風味で、黒糖のようなクセはありません。
てんさいは北フランスやベルギーで栽培されていて、北フランスの伝統的なお菓子タルト・オ・シュクルやスパイスの効いたビスケット、スペキュロスなどに使われます。
・マスコバド糖
フィリピンのネグロス島で生産されたサトウキビの汁を煮詰めて自然乾燥させた精製されていない黒砂糖。フェアトレードがだんだん認知されるようになった頃から有名シェフの間で人気の素材になり、今ではスーパーでも普通に手に入るようになりました。日本の黒糖に似た味わいですがそれよりもマイルドな風味で、優しい甘さがあります。
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・黒糖
サトウキビの汁を煮詰めて自然乾燥させた精製されていない黒砂糖。ミネラルが豊富で、独特の風味と特徴のある味。和菓子などに使います。
その他の甘味料
・粉糖
グラニュー糖を細かく粉砕したもの。生地に馴染みやすく、クッキーに使うとサクッとした食感になります。
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固まらないようにコーンスターチが含まれているものが多いですが、マカロンに使うときはコーンスターチが含まれていない純粉糖がおすすめです。
また、ケーキの仕上げなどに粉砂糖をふりかける場合、普通の粉砂糖だと時間がたつと水分を吸ってしまうので、水分を吸わないように加工したデコレーション用の粉砂糖もあります。
・ワッフルシュガー(パールシュガー・あられ糖)
粒状の砂糖で、焼き込んでも溶けきらず砂糖のカリカリとした食感が残ります。ベルギーワッフルやシュー生地にふりかけて作るシューケットなどに使われます。
・水あめ・コーンシロップ ・グルコースシロップ
液状のデンプン糖のことで、デンプンを酵素、酸で 分解し糖に変えた糖液、シロップのことです。
アメリカではコーンシロップと呼ばれ原料は主にとうもろこし、EUではグルコースシロップと呼ばれ原料は小麦やじゃがいもから作られることが多いようです。
いずれも無力透明の粘りのあるシロップで、原料による味の差はありませんが、粘度はメーカーによって多少差があります。アイスクリームに使って舌触りを滑らかにしたり、シロップやソースに甘みと粘りを与えたり、ガナッシュのシャリ止めに使ったりとかなりたくさんの用途があります。
・はちみつ
ミツバチが花から集めて巣にたくわえた蜜。お菓子に使うと焼き色がよくつき、しっとりと仕上がります。クセがなく上品なアカシアのはちみつをはじめ、ラベンダーやローズマリー、栗のはちみつなど個性的な風味を持つものも。
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・メープルシロップ
主にカナダや北アメリカで生産される、サトウカエデなどの樹液を濃縮した甘味料。独特の風味があり、ホットケーキやワッフルにかけたりお菓子の材料として使われます。
・ゴールデンシロップ
サトウキビやテンサイから作られる、白砂糖を作る時に副産物として得られる褐色の糖蜜です。イギリスではほとんどの家庭に常備されているというほどメジャーな糖蜜で、イギリスの伝統的な料理やお菓子のレシピによく登場します。黒糖などと同じ含蜜糖に分類され、味は黒蜜やお醤油を感じさせるような独特の風味。
まとめ
お菓子作りで砂糖は甘みを与えるだけではなく大切な役割を担っています。甘みを抑えたいからといって簡単に減らしてしまうと失敗の原因に。かといって明らかに必要以上に甘過ぎるレシピもありますよね。
ヘルシーなレシピにしようと砂糖ではなくハチミツを使ってみても、スポンジケーキなどはうまく膨らまなくなってしまいます。
砂糖が持つ特性を理解しながら、自分がどんなお菓子を作りたいか?を考えながらレシピを見直すとだんだん必要な砂糖の量がわかってくるはずです!
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