「タルト生地」と言ってもいくつか種類があり、中に入れる材料によって使うタルト生地も違ってきます。今回はタルト生地の違いとレシピを紹介します!
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タルト生地の種類
甘みの少ないパート・ブリゼ、カリカリ食感のパート・シュクレ、サクサク食感のパート・サブレ。今回はタルト生地の特徴とそれぞれの使い分け方、美味しく作れる基本のレシピを紹介します。
パート・ブリゼ(Pâte à brisée)/パータ・フォンセ(Pâte à foncer)
特徴
パート・ブリゼまたはパータ・フォンセはタルトなどの型に敷いて使う練り込みパイ生地のことです。ブリゼは砕けた、こわれたという意味でフォンセは型に生地を敷くという意味。
普通は甘みがないレシピであることが多く、お菓子にもお惣菜タルトにも使える生地です。
作り方
作り方は、冷やした固いバターを小麦粉に細かく混ぜてそぼろ状にしてから水、卵などの水分を合わせて重ね合わせるようにしながらまとめて作っていく製法で、こうすることでグルテンの形成を最小限に抑えることでサクサクとした焼き上がりに仕上がります。
グルテンは小麦粉に含まれるタンパク質と水が結びついてできる物質で、パンを作るときに小麦粉と水だけで長い時間捏ねますよね?あれは発酵した時に生地がちゃんと発酵に耐えて伸びをよくする為。
折込みパイ生地でも、小麦粉と水を混ぜて捏ねた生地にバターを折り込んでいきますが、それは焼く時にバターが揮発してパイ生地を押し上げる時、生地同士のつながりをよくして切れない様にする為です。
こちらの練り込みパイ生地は型に敷き込んで焼くだけでグルテンは必要なし。しかも必要ない場面でグルテンができてしまうと焼きあがりが固くなり、口どけが悪くなるのでこの場合できるだけグルテンを形成しない様に作業します。
口当たりはパイ生地とタルト生地の中間の様な、サクサク・ホロホロとした生地。
使用するタルト
・フランスの家庭の味・キッシュロレーヌのレシピ
・生地で包んで焼くだけ・型なしタルト
・失敗しない!りんごたっぷりタルトタタンのレシピ
パートシュクレ(Pâte sucrée)
特徴
シュクレ(sucrée)は甘い、砂糖入りの、という意味。
材料に水が入らないのでグルテンができにくく、砂糖が多めに入るので焼き色が綺麗につきます。ザ・タルト生地!という感じのサクサクで甘いタルト生地です。パートサブレより目が詰まってしっかりした生地で、水分が多いタルトなどに向きます。
作り方
作り方は、常温に置いて柔らかくしたバターに砂糖を加えて混ぜてから卵を加えます。最後に小麦粉を加えることで卵の水分と小麦粉が結びつかないのでグルテンが形成されません。その為パート・ブリゼよりもサクサクとした口当たりの良い生地になります。
グルテンが生じない分、生地のつながりが悪い(ポロポロ崩れやすくなる)のでフラゼ(fraser)という、手のひらで生地を台に擦り付けて伸ばして生地を緊密にする作業をすることもありますが、個人的にはしてもしなくてもどちらでも良いかな?と思います。
フラゼすると確かに材料がよく混ざり合い生地が綺麗に均質になるのですが、しなかったからといって生地がすごく割れたということもないので、大きめのタルトを作る時念のためしておくか、くらいの感じで作業しています。
使用するタルト
・甘酸っぱいフレッシュラズベリー のタルト
・濃厚ビターな大人のチョコレートタルト
パートサブレ(Pâte sablée)
特徴
パート・ブリゼやパート・シュクレよりもろい練り込みパイ生地のパート・サブレ。バターの配合が多めで口の中で溶ける様なもろさに仕上がります。アーモンドプードルなどで風味を足したり、ベーキングパウダーを加えてさらにサクサクした生地にすることも。
サブレの名前の由来は砂(sable:サーブル)のような焼き上がりだからとか、サブレ(sabler:バターと小麦粉を合わせてサラサラした状態にする)して作るからだとも言われています。
バターの配合が多めなので、パートシュクレと比べてサクサクと軽い口当たりです。
作り方
最初にバターと小麦粉を合わせてサラサラした状態にして(それをサブレするsablerという)そこに卵・砂糖を加えて作りますが、パート・シュクレのようにバターと砂糖をすり混ぜてクリーム状にしてから卵・小麦粉を加える作り方をすることも。
使用するタルト
タルト生地の材料
・タルト生地に使う砂糖は基本的に粉砂糖を使います。これはタルト生地に入る水分(卵)が少ないので砂糖が溶けにくいためです。
・卵は基本的に卵黄を使っています。卵黄の方が全卵を使うより脂肪分が多くなる為、タルト生地が焼きあがった後ポロポロせず切り分けやすくなるからですが、全卵でもOKです。
特に、今回のレシピは一単位分で25gの卵黄(+水)を使用していますが、2単位分作るとちょうど50gの卵が必要になります。50gはちょうど卵1個分なので、2単位分作るときは卵黄ではなく全卵1個使う方が便利かなと思います。
・このレシピの分量は一単位分です。
直径20cm のタルト型 x 1台分
直径10cmのタルト型 x 4台分
タルト生地ののばし方、敷き込み方
大きめのキッチンペーパー2枚を用意し、そのあいだに生地を置いて綿棒で叩きながらのばしていきます。キッチンペーパーを敷いた方が余分な打ち粉も必要なく、角度も変えやすく、生地が柔らかくなってきたらそのまま冷蔵庫へ入れられ、扱いやすいのでおすすめです。
綿棒を使って型よりひとまわり大きいサイズにのばしながら、2−3mmの厚さになるように調整します。生地をのばすときはキッチンペーパーに生地がくっついていると延びにくくなるので、上下を返しキッチンペーパーをはがしながらのばしていきます。
ここから型に敷き込んでいきますが、このとき生地のやらわかさがとても重要です。
生地が固いと型に敷き込んだ時に割れますし、逆に柔らかすぎて生地が脂っぽくなり照りが出てくると型に敷き込んだときポロポロと割れてしまったり、焼き上がりの口当たりが悪くなります。
生地が冷えていながらも程よく曲がる状態がベストなので、冷蔵庫に入れて冷やしながら生地の固さを調整してみてください。
底つきタルト型にタルト生地を敷き込む
生地を敷き込みやすい温度に調節したら、型に生地をのせて型に折り込んでいきます。指の跡がつかないように気をつけながら、しっかりと側面に生地をくっつけていきます。型の角をしっかり作る感じにすると、焼いたときに激しく側面の生地が焼き縮みするのを防げます。
型からはみ出した生地をナイフ(またはめん棒)で削ぎ落とします。切り落としたあと、側面の生地を少し押して少し型の外にはみ出るようにすることで、焼き縮んでも高さを保つことができます。
型の底にピケ(フォークなどで空気穴を開ける)をします。
タルトリングにタルト生地を敷き込む
シルパットやクッキングペーパーの上にタルトリングを置き、生地を型に敷き込んでいきます。タルトリングを浮かせて生地をタルトリングの下に押し出すように生地をたるませてからタルトリングを戻し、しっかり側面に角をつける。
あとは底つきタルト型と同じ手順で、生地を休ませてから型からはみ出した生地をナイフで削ぎ落とし、側面の生地を押して型から少しはみ出させてからピケをします。
タルト生地を焼く
そのまま空焼きするときはキッチンペーパーなどを敷いた上にタルトストーン(なければ小豆やお米など)をのせて175度のオーブンで12分程度空焼きしてから中にクリームなどを入れます。
フルーツタルトなど水分が多いものをのせる場合は、アーモンドクリームを作ってタルト型に入れてから焼きます(この場合タルト型は空焼きしません。タルト型を焼いてからアーモンドクリームを入れてまたやくと、側面の生地が焼けすぎてしまって焦げ付いてしまうので)。
この場合175度で底のないタルトリングの場合30分程度、底のあるタルト型の場合40分以上、焼きます。焼きあがったタルト生地は割れやすいので型のまま冷まし、しっかり冷めてから型から外します。
使用する道具
使用する材料
レシピをもっと見る
・甘酸っぱいフレッシュラズベリー のタルト
・濃厚ビターな大人のチョコレートタルト
・フランスの初秋の果実・ミラベルのタルト
パートシュクレ(Pâte sucrée)
- Total Time: 10 minutes
- Yield: 1 単位分 1x
Description
シュクレ(sucrée)は甘い、砂糖入りの、という意味。材料に水が入らないのでグルテンができにくく、砂糖が多めに入るので焼き色が綺麗につきます。ザ・タルト生地!という感じのサクサクで甘いタルト生地です。パートサブレより目が詰まってしっかりした生地で、水分が多いタルトなどに向きます。
Ingredients
- 125 g 薄力粉
- 50 g 粉砂糖
- 60 g 無塩バター, (室温)
- 25 g 卵黄+水
- ひとつまみ 塩
Instructions
- ボールに室温に戻したバターを入れて練って柔らかく戻し、粉砂糖を加えてよくすり混ぜます。
- 卵黄と水を合わせたものを加え、よく混ぜ合わせます。
- ふるった薄力粉と塩を加えて混ぜ合わせます。
- 打ち粉をした台の上に取り出し、軽く練ってひとまとめにします。
- 平たく形を整えてラップで包み、冷蔵庫で1時間〜1晩休ませます。
Notes
このレシピの分量は一単位分です:
- 直径20cm のタルト型 x 1台分
- 直径10cmのタルト型 x 4台分
- Prep Time: 10 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 0 hours
- Category: 基本のレシピ
- Cuisine: フランス
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
パートサブレ(Pâte sablée)
- Total Time: 10 minutes
- Yield: 1 単位分 1x
Description
パート・ブリゼやパート・シュクレよりもろい練り込みパイ生地のパート・サブレ。バターの配合が多めで口の中で溶ける様なもろさに仕上がります。アーモンドプードルなどで風味を足したり、ベーキングパウダーを加えてさらにサクサクした生地にすることも。サブレの名前の由来は砂(sable:サーブル)のような焼き上がりだからとか、サブレ(sabler:バターと小麦粉を合わせてサラサラした状態にする)して作るからだとも言われています。
Ingredients
- 125 g 薄力粉
- 60g 無塩バター
- 35 g 粉砂糖
- 25 g アーモンドプードル
- 25 g 卵黄+水
- ひとつまみ 塩
Instructions
- フードプロセッサーにダイス状の固いバターと薄力粉、粉砂糖、アーモンドプードル、塩を合わせて入れ、粉チーズ状にします。
- 手で作る場合、ふるった薄力粉、粉砂糖、アーモンドプードル、塩の中にバターを置き、カードでできるだけ細かく切り刻みます。
- 卵黄・水を加えて一つにまとまるまで混ぜます。
- 台に取り出して、まとまるまで軽く練ってまとめます。
- ラップに包んで、1時間〜1晩休ませます。
Notes
このレシピの分量は一単位分です:
- 直径20cm のタルト型 x 1台分
- 直径10cmのタルト型 x 4台分
- Prep Time: 10 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 0 hours
- Category: 基本のレシピ
- Cuisine: French
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
パート・ブリゼ(Pâte à brisée)/パータ・フォンセ(Pâte à foncer)
- Total Time: 10 minutes
- Yield: 1 単位分 1x
Description
パート・ブリゼまたはパータ・フォンセはタルトなどの型に敷いて使う練り込みパイ生地のことです。ブリゼは砕けた、こわれたという意味でフォンセは型に生地を敷くという意味。普通は甘みがないレシピであることが多く、お菓子にもお惣菜タルトにも使える生地です。
Ingredients
- 125 g 薄力粉
- 75 g 無塩バター, (ダイス状の冷たく固いもの)
- 1 個 卵黄
- 大さじ1 冷水
- 小さじ⅓ (1.5g) 塩
Instructions
- フードプロセッサーにダイス状の固いバターと薄力粉、塩を合わせて入れ、粉チーズ状にします。
- 手で作る場合、薄力粉の中にバターを置き、カードでできるだけ細かく切り刻みます。
- 卵黄・水を加えてひとつにまとまるまで混ぜます。
- 台に取り出して軽く練ってまとめ、ラップに包んで1時間〜1晩休ませます。
Notes
このレシピの分量は一単位分です:
- 直径20cm のタルト型 x 1台分
- 直径10cmのタルト型 x 4台分
- Prep Time: 10 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 0 hours
- Category: 基本のレシピ
- Cuisine: French
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
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