焦がしバターの風味、ホロホロとくずれる独特の食感、アーモンドプードルの香ばしさと金柑の爽やかさがよく合うフィナンシェのレシピ
うちで収穫して(鉢植えを買ってきただけですが・・)作った金柑のコンフィで焼き菓子を一品。
フィナンシェは焦がしバターを使うので、独特の焦がしバターの風味とホロホロした他の焼き菓子にはない食感が独特で、アーモンドプードルの香ばしさと金柑の爽やかさがよく合います。より香ばしさを出すためにヘーゼルナッツパウダーも少量混ぜています。
昔から大好きな焼き菓子のひとつなのですが、作ると意外とうまくいかないことが多いお菓子でした。焼き菓子は家庭でも作りやすいお菓子のひとつのはずなのに・・・失敗する度に簡単なのになぜ??と思っていましたが、フィナンシェの特徴を考えると意外と作るのが難しいお菓子であることに気づきました。
フィナンシェとマドレーヌの違い
フランスの家庭菓子の代表といえばマドレーヌ。ボールひとつでできて簡単で焼き菓子の優しい味がします。フィナンシェのことを調べていたら結構マドレーヌとの違いがわからない、という意見が多かったので違いをあげてみます。
マドレーヌ
・全卵を使う
・小麦粉を使う
・溶かしバターを使う
フィナンシェ
・卵白を使う
・小麦粉とアーモンドプードルを使う
・焦がしバターを使う
この違いがフィナンシェの独特の美味しさ、つまり焦がしバターの風味、アーモンドプードルの香ばしさ、卵黄を加えないのでホロホロの食感につながるのですが、それ故に失敗しやすくもなります。
フィナンシェを上手く作るには?
フィナンシェの生地がとても乳化しにくいということが、フィナンシェが失敗しやすい原因でもあります。
先ほどあげたフィナンシェの特徴を見てみましょう。
・卵白を使う
(卵黄を使わないのでいわゆる天然の「乳化剤」がない)
・小麦粉とアーモンドプードルを使う
(アーモンドプードルが入る分小麦粉が少ない=グルテンによるつなぎが少ない)
・焦がしバターを使う
(焦がしてあることで通常のバターより乳化しにくい、しかもバターの分量も多い)
フィナンシェの独特の美味しさに繋がる要素全てが失敗に繋がりやすい要素なわけです。最初はバターの分量を減らしてみたりしたのですが、やはりそれではフィナンシェではない。
そこでなんとか乳化させるためには・・・
・卵白を温める
・焦がしバターを温かいまま加える
・生地を寝かせないでそのまま焼く
まず卵白と焦がしバターを温かいまま混ぜると冷たいままより断然乳化しやすくなります。そしてなんとか乳化した生地が分離しないうちに焼きます。最初はできた生地を一晩置いていたのですが、焼いている間にバターが染み出してくるので思い切って間を置かずに焼いてみたらそのほうが生地がまとまったままで焼けました。
ただ寝かさない場合、卵白を温めて砂糖を完全に溶かし切っておく、あとは歯切れがよくなるよう最初レシピに強力粉を使っていたのですが、グルテンができるだけ出ないように薄力粉に変えました(通常生地を寝かせることで生地に含まれる砂糖が溶けて均一の生地になり、小麦粉に含まれるグルテンは弱まります)。
あとは型にしっかりバターを塗ること。シリコンの型だったので必要ないかと思い何もつけずに焼いていたのですが、くっつく&底が浮き上がってしまうことがありバターを塗ったら解消しました。
底上げについては生地の温度が高いと起こるとかオーブンの下火が強いとか色々原因について言われているのですが、私の今回の場合でいうと生地は寝かせたよりそのまま焼いたので生地の温度は今回の方が高いはず。それでも底上げが起こらなかったので違う原因にあるようです。うちのオーブンは下火が強いので、それで生地が急激に焼き縮みが起こったのが原因かと思います。それがバターを塗ることで焼き縮みが解消されたのかと思うので、同じように焼き縮みがおこる方は試してみてください。
今までも細かい調整をしていたものの、今回もこのレシピにたどり着くまで4回作り直し・・・
ただちょっとした生地の温度や混ぜ方で出来上がりが劇的に変わるおもいしろい生地です。失敗してもそれなりに美味しいですし(夫は一番失敗したバターがじゅ〜〜っと出てくるフィナンシェが一番美味しいと言っていました)焼き菓子の理解が深まったお菓子になりました。
使用する道具
使用する材料
レシピをもっと見る
・金柑のコンフィ
・基本のマドレーヌ&レモンとオリーブオイルのアイシング
・ブルターニュのバターたっぷりクッキー・ガレットブルトンヌ
金柑のフィナンシェ
- Total Time: 30 minutes
- Yield: 12 個(ミニフィナンシェなら24個) 1x
Description
焦がしバターの風味、ホロホロとくずれる独特の食感、アーモンドプードルの香ばしさと金柑の爽やかさがよく合うフィナンシェのレシピ。より香ばしさを出すためにヘーゼルナッツパウダーも少量混ぜています。
Ingredients
- 100 g 卵白
- 110 g グラニュー糖
- 50 g アーモンドプードル
- 15 g ヘーゼルナッツパウダー, (なければ全量アーモンドプードルでも)
- 30 g 薄力粉
- 100 g バター, (焦がしバターを作る。最終的に70gに)
- 24 スライス 金柑
Instructions
準備
- 型にバターを塗っておきます。金柑のスライスを瓶から取り出してシロップをキッチンペーパーでとっておきます。
- オーブン予熱は180度。
焦がしバターを作る
- 小鍋にバターを入れて弱火にかけます。バターが溶けてきたら中火にします。気泡ができ、飛び跳ねだします。
- 5分ほどすると白い泡がたち、濃い黄色から透明な黄金色に変わってきます。
- 泡がだんだん消えていき、黒っぽい沈殿物ができ始めます。
- かなり高温になっていて焦げやすいので注意。濃い黄金色になったら火を止め、褐色になるまで余熱で火を通します。出来上がったらボールの底を水につけて加熱を止めます。
- このレシピでは鍋の底に溜まった沈殿物も生地に加えるので漉さずにそのままとっておきます。
生地を作る
- 卵白とグラニュー糖を小鍋に入れてごく弱火で人肌になるまで温め(レンジでも)、グラニュー糖を溶かします。
- ふるったアーモンドプードルとヘーゼルナッツパウダー、薄力粉を加え、さっと混ぜます。
- 1.の卵白とグラニュー糖を加え、空気を入れないように混ぜ合わせます。
- 粗熱がとれた焦がしバターを加えます(まだ温かい状態)。なめらかな生地になるまで混ぜ合わせます。
- 型に入れてスライスした金柑をのせます(できるだけ薄めのスライスのものがオススメ。厚すぎると焼成中に沈みます)。
- オーブンで10分(普通のフィナンシェ型なら15分)程度焼きます。
- 焼きあがったら型から外し、網の上で冷まします。
Notes
生地をうまく乳化させることがうまくできるポイントです。
できるだけ卵白、溶かしバターを温かいうちに混ぜ合わせること、混ぜ過ぎないことに気をつけることでなめらかな歯切れの良い生地になるはずです!
- Prep Time: 20 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 10 minutes
- Category: 焼き菓子
- Cuisine: フランス
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
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