サクサククッキーの中にカリカリのアーモンドキャラメルを入れた、ふたつの食感が味わえるロミアスクッキーのレシピ
ロミアスクッキーの由来
ロミアスクッキーは日本ではそこまで知られていないかしれないですがアメリカでもヨーロッパでも同じ名前で呼ばれています。そしてそこでは『イタリアのクッキー』と書かれていることが多いのですが、実際イタリアに住んでいたときこのクッキーに出会うことはありませんでした。
バターをたっぷり使うレシピは北イタリアに多く、ヌガーやアーモンドのレシピは南イタリアに多いのでどちらが起源かも分からず、Romiasという名前だけ見るとイタリア語っぽくもないです。
調べてみると「ロミアス」はアラブ語で'キリスト教徒の女性'の意味だそうです。なのでアラブから伝来したお菓子だということでしょうか。
材料や名前で考えていくとどこが由来なのかはっきりとはしないのですが、絞りクッキーはイタリアではよく見かけるのでおそらくそのあたりでイタリアのクッキーと呼ばれているだけかもしれません。
もしくはクッキー生地を土台に同じようにキャラメルアーモンドをのせたフランスのお菓子、フロランタンが「フィレンツェの」という意味でイタリアから伝えられたお菓子と言われているので、同じように考えられている、またはアラブまたはイタリアから伝わったロミアスの原型のようなお菓子が、フランスで洗練されたレシピとなって伝わっているのかもしれません。
いずれにしてもあまり歴史がはっきりしないお菓子なのですが、世界のわりと広い範囲で同じ名前で同じようなレシピで作られているお菓子です。
ロミアスクッキーの特徴
柔らかめに作ったクッキー生地を絞り袋に入れて真ん中があくように絞り出し、あいた空洞にはヌガーのようなアーモンドを入れたフィリングを置いて一緒に焼くと、サクサクのクッキーとカリカリのキャラメルアーモンドが一緒になったクッキーに仕上がります。
そしてさらに特徴的なのは花びらのようなクッキー部分。これはサルタンという口金を使います。
元々はルリジューズという、シューを重ねたお菓子のつなぎ目の部分のクリームを絞るのに使われる口金です。
クリーム、またはクッキー生地を厚く絞れるものと薄く絞れるものの高・低の二つのタイプの口金があり好みなのですが、どちらかというと薄く絞れる低いタイプのものがキャラメルアーモンドのフィリングと合うと言われることが多いようです。
ロミアスクッキーの作り方
アーモンドキャラメルフィリング
小鍋に砂糖、バター、水あめを入れて砂糖が完全に溶けるまで温めます。溶けたらスライスアーモンドを加えて混ぜ合わせます。
オーブンシートの上に広げて粗熱をとります。冷えてくると固まってくるので、直径2cmくらいの棒状に整えてから冷蔵庫で冷やし固めます。
クッキー生地
ボウルに柔らかくしたバターを入れ、粉砂糖を加えて混ぜ合わせます。
卵白を加えてよく混ぜ合わせます。最初は少し分離したようになりますが、混ぜ続けるとだんだんとなめらかに乳化してきます。
バニラエクストラクトを加えて混ぜます。
薄力粉をふるい入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせます。
生地は休ませずにすぐに絞ります。生地を絞り袋に入れます。
*絞り方*
絞り袋を垂直にして、天板から少し浮かして絞ります。絞り終わりは口金をひねりながら天板に擦り付けるようにして、そっと離します。(わかりにくい場合は動画も参考にしてみてください!4:27あたりから絞り方の説明をしてます)
うまく絞れなかった場合はカードなどで生地を取り除いて絞り直してください。
中央の空洞部分に生地が残ってしまったらそのたびに取り除いてください。
アーモンドキャラメルを5mmほどの厚さに切り、クッキー生地の中央の空洞部分に置いていきます。
冷凍庫に10分ほど入れ、生地を締めます。
170度のオーブンで20分ほど焼きます。キャラメル部分がしっかり焼けていないとカリカリにならないので、しっかり焼き色がつくまで焼きます。
プレゼントにも。食後のプチフールにも。
花のようなおしゃれなかたちのクッキーなのでプレゼントにもいいですし、クッキーとキャラメルの食感がよく食後にも食べやすいのでプチフールにもちょうどよい、本当にいろいろな場面で使いやすいレシピです。
実はこのクッキーを知ったのはもうかなりかなり前で、藤野真紀子さんの本だったのですが、当時このレシピに使うサルタン口金が珍しいもので高くて・・それでもどうしても作りたくて合羽橋でマトファー製のものを5000円弱(珍しくてもたかが口金!)、相当思い切って買ったのを覚えてます。
そのあと長い間大切に使っていたのですが、仕事場で紛失。もう2度は買わないな、とずいぶん長い間作っていなかったのですが、最近になってサルタン口金がずいぶん手に入りやすく値下がりしていることに気付き、久しぶりに買って作ったのが今回のロミアスです。
でもどこか花の部分の模様が違う気がして・・・マトファー製のサルタンはフランスでも3000円くらいするのですが、なんだかもう一度手に入れようかと悶々とし始めてしまいました。
たかがクッキー、されどクッキー。長い間どうにもこだわってしまうお菓子です。
使用する道具
今回買ったのがステンレス製のものだったのですが、使い辛く激しく後悔。なぜかというと口金自体の角度があまりなく、口金の端に留めのような膨らんだ部分がなかったので、クッキーの固い生地を絞るとどんなに丈夫な絞り袋でもどうしてもするすると抜けていってしまうんです。
なのでこういうタイプ↓はロミアスにはおすすめしません!
(今回はクッキー生地自体を少し柔らかく仕上げてこのタイプの口金でも絞れるようにはしてます)
先ほども書いたように最初に持っていたのがマトファー製のサルタンでした。口金の端に留めのような膨らんだ部分があるので、強い力をかけても絞り袋から滑り落ちません。花びらような部分も美しく出て絞りやすかったのですが、口金にこの値段・・・悩ましい・・・
とは言っても最近はいろいろなメーカーのサルタンが手に入るようなので、角度がそこそこついてて口金の端に留のような膨らみがついているものを注意して選ぶと固めの生地でも絞りやすいかと思います。あとは絞り袋もできれば繰り返し使える丈夫なものを使って下さい!
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ロミアスクッキー(キャラメルアーモンドクッキー)
- Total Time: 40 minutes
- Yield: 30枚 1x
Description
サクサククッキーの中にカリカリののアーモンドキャラメルを入れた、ふたつの食感が味わえるロミアスクッキーのレシピ
Ingredients
クッキー生地
- 125g 無塩バター(室温)
- 50g 粉砂糖
- 40g 卵白
- 小さじ¼ バニラエクストラクト
- 150g 薄力粉
アーモンドキャラメルフィリング
- 40g 無塩バター
- 40g グラニュー糖
- 40g 水あめ
- 40g スライスアーモンド
Instructions
準備
- オーブンを170度に予熱します。
絞り袋(できれば布製やシリコン製の、繰り返し使える丈夫なもの)にサルタン口金をセットし、天板にシルパットを敷いておきます。
アーモンドキャラメルフィリング
- 小鍋に砂糖、バター、水あめを入れて砂糖が完全に溶けるまで温めます。
- スライスアーモンドを加えて混ぜ合わせます。
- オーブンシートの上に広げて粗熱をとります。冷えてくると固まってくるので、直径2cmくらいの棒状に整えてから冷蔵庫で冷やし固めます。
クッキー生地
- ボウルに柔らかくしたバターを入れ、粉砂糖を加えて混ぜ合わせます。
- 卵白を加えてよく混ぜ合わせます。最初は少し分離したようになりますが、混ぜ続けるとだんだんとなめらかに乳化してきます。
- バニラエクストラクトを加えて混ぜます。
- 薄力粉をふるい入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせます。
- 生地は休ませずにすぐに絞ります。生地を絞り袋に入れます。
- 絞り袋を垂直にして、天板から少し浮かして絞ります。絞り終わりは口金をひねりながら天板に擦り付けるようにして、そっと離します。
うまく絞れなかった場合はカードなどで生地を取り除いて絞り直してください。
中央の空洞部分に生地が残ってしまったらそのたびに取り除いてください。 - アーモンドキャラメルを5mmほどの厚さに切り、クッキー生地の中央の空洞部分に置いていきます。
- 冷凍庫に10分ほど入れ、生地を締めます。
- 170度のオーブンで20分ほど焼きます。キャラメル部分がしっかり焼けていないとカリカリにならないので、しっかり焼き色がつくまで焼きます。
Notes
*このレシピでの分量で、卵白は半量の20gがオリジナルなレシピだったのですが、どうにも固くて絞り辛く、絞っているうちに口金が何度も飛び出してきてしまったので卵白の量を増やして少し柔らかめの絞りやすい生地にしました。ただもとのレシピの卵白が20gの方が、模様がしっかり出てより綺麗に仕上がると思うのでナイロン製などの強靭な絞り袋(私はシリコン製の繰り返し使えるものを使ったのですが伸びてしまうのかダメでした・・)をお持ちのか方やサルタン口金の淵に留めのような膨らんだ部分があるものをお持ちの方は卵白を減らして20gで作ってみてください。
- Prep Time: 20 minutes
- Additional Time: 0 hours
- Cook Time: 20 minutes
- Category: クッキー
- Cuisine: フランス
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