紫色のじゃがいもに生クリームと牛乳を加えて綺麗な藤色のポタージュスープに。
少し灰色がかった皮に包丁を入れると、鮮やかな紫色が中から現れます。
この紫じゃがいもはベルギーやフランスで昔から栽培されている在来品種だったのが、20世紀の中盤に栽培がストップして絶滅品種になりかけていたそう。
スローフード運動とは
イタリア発祥のスローフード運動という活動があるのですが、ローマに留学していた時1年間この運動に参加していました。
成り立ち
“スロー” フードとは ”ファースト” フードに対抗して作られた概念で、1980年代にローマの観光名所スペイン広場にマクドナルドができたことにイタリアの食文化が失われる危機感を抱いた人々が集まり広まった社会運動のことで、その土地の伝統的な食文化や食材を守ることを目的としています。
私が参加していた時も、毎週色々な地域のワインのティスティングや地方菓子の試食会、会場を借り切ってイタリアの一地方の特産物の展示会を開催したり、日本の方が日本酒のデモンストレーションに来たこともありました。
スローフード な人生
日本では島村奈津さんの本「スローフードな人生!―イタリアの食卓から始まる」でこの活動が知られるようになりましたよね。私もスローフード 運動に参加してみたい!と思ったのは留学前にこの本を読んだからです。
イタリア人の食に対する情熱も並々ならないのですが、イタリア人自身が個性がとても強いのですよね。なのでイタリア人の個性=食の個性、ファーストフードばかり食べるのは自分の個性がなくなることだ、と言わんばかり食に自分を投映するイタリア人の精神がこの運動に繋がっている気がします。
スローフードというとゆっくり食事を楽しむ、ということを提唱しているような感じがしますが、ファーストフードという世界の均一化に対抗する個々の個性(個々の食)を尊重するという意味で、なぜイタリアでこの運動が始まったのかよくわかります。まさにイタリア人の人生が「スローフードな人生」、ひとりひとりの個性が生かされる人生なわけです。
「味の方舟」プロジェクト
そのスローフードのプロジェクトのひとつが「味の方舟」プロジェクト。固有の在来品種や小さな生産者による希少な食材をガイドラインを作って守ろうというプロジェクトです。食の世界遺産みたいなものですね。この中に紫のじゃがいもも入っているようです。
最近はこの紫じゃがいもを始め、普通のスーパーでも「在来種」を謳ったトマト(黄色や黒、緑でとてもカラフル)なんかもよく見かけるので、このプロジェクトのおかげかもしれません。
調理しても美しい紫色が保たれる紫じゃがいも。加熱すると色が変わってしまう野菜や果物が多い中、深い綺麗な色がずっと続くので作っていても楽しい✨
生クリームと牛乳を加えたクリーミーなスープは濃い紫から綺麗な藤色に変わります。(これを見て映画「ブリジット・ジョーンズの日記」でクリスマスにコリンファースと作る青いスープを思い出したのは私だけでしょうか)
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紫ジャガイモのポタージュスープ
- Total Time: 25 minutes
- Yield: 4 人分 1x
Description
紫色のじゃがいもに生クリームと牛乳を加えて綺麗な藤色のポタージュスープに。
Ingredients
- 500 g 紫ジャガイモ
- 1 個 玉ねぎ
- 15 g 有塩バター
- 500 ml ミネラルウォーター
- 2 個 野菜ブイヨン
- 100 ml 牛乳
- 50 ml 生クリーム
- 少々 塩、胡椒
- ベーコン, (飾り用)
- シブレット, (飾り用)
- クルトン, (飾り用)
Instructions
- バターと玉ねぎを弱火で炒める。
- 皮を剥いて一口大に切ったじゃがいもとミネラルウォーター、ブイヨンを入れて15分ほど煮る。途中でアクをとる。
- 牛乳と生クリームを加えてひと煮立ちさせる。塩と胡椒で味を調え、ブレンダーで滑らかにする。
- お好みでカリカリベーコン、クルトン、シブレットなどを飾る。
- Prep Time: 10 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 15 minutes
- Category: お惣菜
- Cuisine: French
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
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