小麦粉が入らない、オリーブオイルとアーモンドプードルを使った軽いのに濃厚な洋梨のチョコレートケーキのレシピ。
バター・小麦粉なしのしっとり濃厚チョコレートケーキ
私はバターの風味が好きなので(しかもイタリアと比べてもフランスはバターが本当に美味しい)、バターを使わないヘルシーなレシピにあまり食指が動かないのですが、これはヒット 😛
チョコレートの分量が多いせいか濃厚な味わいで、小麦粉を使わずにアーモンドプードルを使っているので香ばしくしっとり。
味は以前紹介したカプリ島のチョコレートケーキ、カプレーゼに似ていると思います。カプレーゼのレシピをバターからオリーブオイルに変えたような配合で、食感はほとんど同じ。後味が若干スッキリする感じです。バターを使わないでこんなにしっとりコクが出るならいいかも、と思ったレシピです。
洋梨、ポワール・ウィリアム
洋梨はウィリアムを使用しました。缶詰とか、ボトルの中に丸ごと洋梨が入ったブランデーなどに使われる手に入りやすい品種です。
ボトルの中にどうやって洋梨を入れるんだろう……と思っていたら、 瓶をかぶせて中で成長させているそうです。手がかかってますね。見た目も美しいので、ギフトなどに良さそうです。
日本にいるときは食感が苦手で好きではなかった洋梨ですが、こちらは日本の梨が手に入らない(たま〜にNashiと書いて売っている)ので仕方なく洋梨を食べていたらすごく好きになりました。
それでわかったのですが、洋梨はちょうど熟したものにあたるタイミングが難しい果実なんだと思います。
洋梨は収穫してから2週間から1ヶ月、追熟が必要な果実なのですが、果物屋さんに売っているものも色々で、まだ固いものからちょうど食べ頃のものと混ざって売っています。
ちょうど良く熟したものはジューシーで口当たりがなめらかでとても美味しいんですが、まだ熟していないと固すぎ、熟しすぎているものは食べるとぐちゃっ水っぽい味になり結構難しい。私も日本で洋梨が好きではなかったのは、おそらく熟しすぎた洋梨を食べてその食感が苦手になったからだと思います。
スーパーでも「ちょうどいい具合に熟してます(mûrs à point)! 」とバラ売りとは別にパックされて値段が高く売られていたりもします。それだけ見極めが難しいんですよね。
日本で洋梨が手に入りにくければ、手軽に缶詰を使ってもいいと思います。缶詰はシロップ煮して柔らかくしてある上に実が崩れにくく扱いやすいので。
洋梨が綺麗に見えるように、低めに生地を流す
今回は小ぶりの洋梨を半分に切ってチョコレートケーキの生地に並べて使いました。洋梨の大きさにもよりますが、あまり生地の高さがありすぎると洋梨の形が上面に綺麗に出ません。生地も卵白を泡立てて加えてあるので結構膨らみますし。若干薄めに生地を流してちょうど良い高さにしてみて下さい。
焼いているうちに染み出した洋梨の水分でケーキがガナッシュのようになった部分が美味しい!生地がだんだん馴染んでくるので、焼き立てより少し時間が経った翌日以降が美味しいです。
チョコレートケーキのレシピ
洋梨とオリーブオイルのチョコレートケーキ
- Total Time: 1 hour 5 minutes
- Yield: 1 台(18cm 丸型) 1x
Description
小麦粉が入らない、オリーブオイルとアーモンドプードルを使った軽いのに濃厚な洋梨のチョコレートケーキのレシピ。
Ingredients
- 100 g チョコレート, (カカオ分60%〜70%)
- 2 個 卵, (卵黄と卵白に分けておきます)
- 70 g グラニュー糖
- 80 g オリーブオイル
- 80 g アーモンドプードル
- 少々 塩
- 4 個 洋梨
- 大さじ2 洋梨のリキュール, (あれば)
- 適量 ヘーゼルナッツ
- 適量 粉砂糖
Instructions
準備
- 型の底にオーブンペーパーを敷き、側面にオリーブオイルを塗っておきます。
- チョコレートを湯煎または電子レンジで溶かします。
- 洋梨の皮を剥き、半分に切って芯を取ってから縦に細長く切っておきます。洋梨のリキュールを全体に振りかけておきます。
手順
- 大きめのボールに卵黄と半量のグラニュー糖 (35g)を合わせて、泡立て器で白っぽくなるまで擦り混ぜます。
- オリーブオイルを少しづつ加え混ぜ合わせます。マヨネーズのような感じになるまでしっかり混ぜます。
- アーモンドプードルと塩を加えて混ぜ合わせます。
- 溶かしたチョコレートを加えて混ぜ合わせます。
- メレンゲを作ります。卵白を電動ミキサーやスタンドミキサーで泡立て、残りのグラニュー糖 (35g) を2〜3回に分けて加えます。
- チョコレートの生地にメレンゲを2回に分けて加えます。1回目はホイッパーで混ぜ合わせ、2回目はゴムベラに変えてさっくりと混ぜ合わせます。
- 型に生地を流し入れ、洋梨を並べ、上にヘーゼルナッツを散らします。
- 175度のオーブンで35〜40分程度焼きます。中心に竹串を刺してみて何もついてこなければ焼き上がりです。
- 粉砂糖をふりかけて出来上がりです。
- Prep Time: 30 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 35 minutes
- Category: ケーキ
- Cuisine: イタリア
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
yoshi
先日チーズケーキでアドバイスを頂きましたyoshiです!
教えて頂いた通り160度で焼き、途中で140度に下げたところ均一になめらかに仕上がりました。ありがとうございます!
また質問で申し訳ないのですが…こちらのレシピも何度も作らせて頂いてるのですが、そろそろ生の洋梨の時期が終わりそうで…。缶詰の洋梨ではなく生の果物で洋梨以外にオススメありますでしょうか?
お時間ある時に教え頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。
Chicca Food
yoshiさんこんにちは!
冬の果物で洋梨と同じ感じで使えるといえばやっぱりりんごでしょうか。
洋梨とチョコレートの相性が良いので洋梨で作ってもらいたいところですが、
りんごでも悪くないと思いますよ。レシピも同じ感じで作れると思います。
あとはバナナ。バナナとチョコレートの相性はいいですよね!
ちょっと趣旨は変わってしまいますが、このチョコレート生地で
バナナのアップサイドケーキ(http://chiccafood.com/banana-upside-down-cake/)
のようにアップサイドダウンで作ってみても良いかもしれません。
いかがでしょうか??????
yoshi
りんご美味しそうです〜そしてアップサイドダウン!全く思いつきませんでした…この生地が本当に好きすぎて。。これで洋梨が手に入らない時期でもアレンジの幅が広がります。いつもいつも、ご丁寧なアドバイスありがとうございます!!!
湯野亜紀子
素敵で美味しそうなレシピサイトで、何度見ても飽きません!
今日は、トルタカプレーゼを作ってみました。トルタカプレーゼについて
質問なのですが、卵黄に加える砂糖の方が多いのはなぜでしょうか?もったりとさせるためでしょうか?
また、トルタカプレーゼは、卵白に砂糖を加えてしっかりしたメレンゲを作るのに対して洋梨のケーキは、砂糖なしのメレンゲですが、製法の違いの意味が知りたいです。よろしくお願いいたします!
Chicca Food
おー鋭いご質問・・
トルタカプレーゼは卵黄と卵白に砂糖を加えて食感を軽く・そしてケーキのかたちをしっかり作るためです。(卵黄に加える砂糖の量が多いのはその量が卵黄により空気が入り、卵白のキメの細かさもちょうどよかったからです。でも単純に砂糖を半々にして入れても違いはごくわずかなので急いでいるときは半々で作ることも多いです????)
洋梨の場合、何度か試してちょうどよかったレシピで、確か最初作ったレシピだとメレンゲがしっかりしすぎてボリュームが出て洋梨が隠れてしまったので砂糖を入れずに作って(そうすると生地に混ぜ込む時に泡が消えたり焼き上がりにしぼんだりする)ちょうど良い見栄えと食感だったからです。
これだけだと細かなニュアンスを伝えきれないので、卵黄と卵白に砂糖を加えて泡立てるとどんなテクスチャーになるか?について書いてみます。長いのでお時間があるときにでも目を通していただければ!
・卵黄+砂糖の場合
卵黄だけ泡立てても泡立たない
卵黄に砂糖を加えて泡立てるとキメが細かい泡ができて泡も持続する
卵黄に砂糖を入れすぎるとダマになる
卵黄の場合、脂肪分が多く空気を含ませにくいので砂糖の量で調整します。基本的には少量の砂糖では泡立ちにくく、多く入るほど空気を含ませやすくなりますが、多すぎるとダマになります。
・卵白+砂糖の場合
卵白だけ泡立てるとキメの粗いメレンゲができて持続しない
卵白に砂糖を多く入れるにつれてキメが細かくなり泡が持続する
卵白に砂糖を入れすぎると液体のようになる
卵白は逆で砂糖が少ない・全く入れないとしぼみやすいです。砂糖の量を増やすにつれて泡のキメが細かくなっていき、最後には液体のようになります。
砂糖を多く入れたメレンゲのレシピのひとつがマシュマロで、ふわふわとはしてますがキメは細かいですよね。かなり砂糖が入った液状のお菓子の代表はヌガーで、ねちねちとした食感になります。
なので最終的にどんな食感にしたいか?によって卵黄と卵白に加える砂糖の量を調整します。
例えばティラミスはできるだけ軽くしたいので卵黄と卵白両方に砂糖を加えてマックスに空気を含ませる&(ゼラチンなどを加えないので)泡を持続させるレシピにしてます。
逆に濃厚に重たい食感にしたいときは卵黄に砂糖を加えない&泡立てないレシピもあります。
粉や乳製品の有無によってまたいろいろ変わってはくるものの、なんとなくニュアンスは伝わったでしょうか????
すみません、かなり長くなってしまいましたが参考になればと思います!
Chicca Food
亜紀子さんこんにちは!
おー鋭いご質問・・
トルタカプレーゼは卵黄と卵白に砂糖を加えて食感を軽く・そしてケーキのかたちをしっかり作るためです。(卵黄に加える砂糖の量が多いのはその量が卵黄により空気が入り、卵白のキメの細かさもちょうどよかったからです。でも単純に砂糖を半々にして入れても違いはごくわずかなので急いでいるときは半々で作ることも多いです????)
洋梨の場合、何度か試してちょうどよかったレシピで、確か最初作ったレシピだとメレンゲがしっかりしすぎてボリュームが出て洋梨が隠れてしまったので砂糖を入れずに作って(そうすると生地に混ぜ込む時に泡が消えたり焼き上がりにしぼんだりする)ちょうど良い見栄えと食感だったからです。
これだけだと細かなニュアンスを伝えきれないので、卵黄と卵白に砂糖を加えて泡立てるとどんなテクスチャーになるか?について書いてみます。長いのでお時間があるときにでも目を通していただければ!
・卵黄+砂糖の場合
卵黄だけ泡立てても泡立たない
卵黄に砂糖を加えて泡立てるとキメが細かい泡ができて泡も持続する
卵黄に砂糖を入れすぎるとダマになる
卵黄の場合、脂肪分が多く空気を含ませにくいので砂糖の量で調整します。基本的には少量の砂糖では泡立ちにくく、多く入るほど空気を含ませやすくなりますが、多すぎるとダマになります。
・卵白+砂糖の場合
卵白だけ泡立てるとキメの粗いメレンゲができて持続しない
卵白に砂糖を多く入れるにつれて泡のキメが細かくなる
卵白に砂糖を入れすぎると液体のようになる
卵白は逆で砂糖が少ない・全く入れないとしぼみやすいです。砂糖の量を増やすにつれて泡のキメが細かくなっていき、最後には液体のようになります。
砂糖を多く入れたメレンゲのレシピのひとつがマシュマロで、ふわふわとはしてますがかなりキメは細かいですよね。かなり砂糖が入った液状のお菓子の代表はヌガーで、ねちねちとした食感になります。
なので最終的にどんな食感にしたいか?によって卵黄と卵白に加える砂糖の量を調整します。
例えばティラミスはできるだけ軽くしたいので卵黄と卵白両方に砂糖を加えてマックスに空気を含ませる&(ゼラチンなどを加えないので)泡を持続させるレシピにしてます。
逆に濃厚に重たい食感にしたいときは卵黄に砂糖を加えない&泡立てないレシピもあります。
粉や乳製品の有無によってまたいろいろ変わってはくるものの、なんとなくニュアンスは伝わったでしょうか????
すみません、かなり長くなってしまいましたが参考になればと思います!
亜紀子
7月にトルタカプレーゼとこのチョコレートケーキの工程で、とても分かりやすい説明をしていただきありがとうございました!卵の泡立て方で、焼き上げた後の求める食感にもっていくこと、理解できました。トルタカプレーゼとこちらのレシピの違いも見たかったので、洋梨を入れずにシンプルに焼いてみました。卵黄を白っぽくなるまで泡立て、オイルを入れて頑張って乳化させようと泡立てましたが、マヨネーズ状まではいかず、ギリギリ分離するかしないかのようや状態でした。卵白はややまったりとするまで泡立て、粉類を混ぜてから合わせて焼きあげました。
粉が入っていないこともあり、とてもしっとりとして美味しかったです。
生地の状態がベストだったかは分かりませんが、またリピしたいレシピです!
卵黄にオイルを合わせた時は、かなりトロリとするものでしょうか?
教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
Chicca Food
亜紀子さんこんにちは!
卵黄にオイルを合わせると色が白っぽくなり、ボリュームが出てふっくらする感じになります。
以前フィナンシェhttps://chiccafood.com/financier-kumquat/のレシピの時に少し書いたのですが、
材料がうまく乳化されないまま生地を焼くとボリュームが出ず、ムチムチとした歯触りになり噛み締めると油分がじゅわ〜と出てきます。
反対に材料がうまく乳化された生地だとふわふわと弾力があり、油分が多かったとしてもさっぱりと食べやすかったりします。
意外と乳化されてない生地のじゅわ〜と油っぽい感じが好きという方もいらっしゃるのですが、
ケーキを焼くときにはきちんと乳化したものが良しとされています。
うまく乳化させるコツは、
・卵を常温に戻しておく(冷たいと乳化しにくいです)、
・油を糸状に少しづついれる、
・できるだけ攪拌力を強くする(ハンドミキサーやハンドブレンダーを使った方がうまくいきやすいです)、
など。
あとはあまりにも分量が少ないと混ぜにくくて乳化させにくいときもあります。
参考にしてみてください〜!
ヒロ
yoshiさま
こんにちは。
素敵なレシピをいつもありがとうございます、
ところで、本日洋梨とオリーブオイルのチョコレートケーキを焼きました。
そのレシピですが、
卵黄のグラニュー糖と卵白のグラニュー糖の記載がなく、卵黄にグラニュー糖全部入れてしまい、重たい生地になりました。気がついた時は遅く、卵白にはグラニュー糖無しで混ぜました。
すみませんが、次回の時の参考にさせていただきたいので、グラニュー糖の配分を教えてもらえたら助かります。
ケーキは何とか焼けていますが、、
又リベンジします。
よろしくお願いします。
Chicca Food
ヒロさんこんにちは、
本当ですね、レシピにグラニュー糖の配分書いてない!ですね、
自分ではすっかり書いた気になっていて、すみません!!すごいわかりにくかったですね・・
レシピなおしたのでまたよければレシピ使ってください・・・すみません!!
ヒロ
yoshi様
こんにちは。
お返事を直ぐいただいておきながら、お礼が今になってすみません。
グラニュー糖配分を教えてもらい助かります。
美味しかったので、又是非作ってみたいと思います。ありがとうございました。