完熟バナナに昔ながらの製法で作られる無精製の純粋な黒砂糖・マスコバド糖を合わせ、シナモンのスパイスを効かせたアップサイドダウンのケーキのレシピです。黒砂糖はキャラメル化させる必要がなく、バターと合わせてさっと溶かすだけ、型に流し入れてバナナと合わせればキャラメルの風味とコクが出るお手軽レシピです。
焼きっぱなしの華やかケーキ、アップサイドダウン
底にフルーツを並べてケーキ生地を上からながし、焼いてからひっくり返すと下に敷いたフルーツがトッピングになっている、お手軽ながら華やかさを出せるアップサイドダウン ケーキ。
ブラッドオレンジのアップサイドダウン 、タルト・タタンに続きまたまた登場です。
やっぱり簡単で、見た目が良くなるのでついつい作ってしまいます。
バナナとキャラメル、黒糖の美味しい組み合わせ
バナナやパイナップルなど、南国のフルーツと相性の良いマスコバド糖(黒糖)を合わせてキャラメルを作ります。私は黒糖を使うとき風味が良くて手に入りやすくなったマスコバド糖を使いますが(詳しくはお菓子作りと砂糖の記事を参照)、黒糖でも大丈夫です。風味は沖縄産の黒糖の味の方がマスコバド糖に近いかなと思います。
ケーキ生地にはマスコバド糖ではなくカソナードを使っています。生地の方は砂糖の分量が多いのでここで風味の強いマスコバド糖をさらに使うとさすがに存在感が出すぎるので、少し軽いカソナードで。
スパイスは少量のシナモンを生地に加えています。意外とこれが飽きが来ずに食べられる隠し味かも。シナモンは使う量によっては味が強すぎてあまり好きじゃない時もあるのですが、この分量だとあまりシナモンの味は感じないのですが、キャラメルとバナナの甘い味をさりげなく引き締めてくれていてちょうど良いバランスでした。
美味しそうに見せるちょっとしたコツ
コツというほどのものではないのですが、私が以前このケーキを作った時失敗した原因について。
以前タルト・タタンの記事にコツとして「良く冷やしてしっかりケーキが固まってから底を温めて一気に上下を返す」と書いたのですが、このアップサイドダウン でも同じことをしてしまいました。
すると底に溜まったキャラメルが溶けきらなかったのか、キャラメルが上面をカバーせずなんだか美味しくなさそうなバナナの色が上面に。味は全然変わらないのですが、きちんとバナナの上にキャラメルがコーティングされていないと不味そうに見えます。バナナって柔らかいし色が変わりやすいので。。
なのでこのアップサイドダウン の場合、オーブンから出して粗熱が取れてから生暖かいくらいの時に上下を返します。そうするとキャラメルがまだ固まっていないのでしっかりバナナをコーティングしてくれてツヤツヤ、ケーキの側面をトロトロとソースみたいに流れます 😛
アップサイドダウン って簡単なのですがひっくり返すまで状態がわからないので結構ドキドキするんですよね。もしプレゼントやおもてなし用に作ってあまり上面が綺麗でなければ、キャラメルソースを別に作って上からかければ持ち直せます。
冷蔵庫に入れると固くなって美味しくないので、そのまま常温で保存して2〜3日で食べ切って下さい!
キャラメルバナナケーキの作り方
キャラメルを作る
マスコバド黒糖とバターを溶かします。キャラメルといっても、黒糖を使うことによってキャラメル風にしているレシピなので、焦がす(キャラメル化)させる必要はありません。黒糖が溶けてバターと馴染んだら火から下ろしてマンケ型に注いでください。
バナナを半分に切って並べます
半分に切った切り口の方を下にして型に並べます。できるだけ隙間がないようにかたちを揃えて並べます。
ケーキ生地を作る
バターとカソナードをよく混ぜます
室温に戻して柔らかくしたバターとカソナード(ブラウンシュガー)をよく混ぜます。ここもマスコバド糖でもいいんですが、ちょっと味が濃くなりすぎるので少し軽いブラウンシュガーにしています。さっぱりさせたければ普通の砂糖でももちろんおいしいです。
溶き卵を少しづつ加えます
分離しやすいので少しづつ卵を生地に加えてその都度混ぜます。
薄力粉の半量を生地に加えます
水分が多い生地なので、これ以上分離させないために一度薄力粉を加えて生地をまとめます。ここで混ぜすぎるとグルテンが出て生地が固くなってしまうので、混ぜすぎないように!
ヨーグルトを加えます
残りの薄力粉とベーキングパウダー、シナモンパウダー、塩を加えて混ぜます
ゴムベラでまとまるまでさっくりと混ぜます。
キャラメルとバナナの上に生地を流し、175度のオーブンで35-40分焼きます
表面の生地を平らにならして予熱したオーブンで焼きます。
粗熱がとれたら、上下を返します
まだ温かいうちに上下を返します。
ちなみに、今回もう少し低い温度(160度)で40分焼いてみたのがこちら↓
バナナの存在感があってキャラメルが少し穏やかな感じ。私ははっきりキャラメルの濃い色が出ているのが好きなのでこの仕上がりはあまり好みではなかったのですが、ケーキ部分の食感はこちらの方がよかったです。家庭のオーブンや型によって仕上がりは変わるかと思いますが、キャラメルがもっと穏やかな方がよい方はオーブンの設定温度を少し下げて長めに焼いてみてください。
使用する道具
もうひとつ以前失敗した理由を。ちょうどいい大きさのマンケ型がなかったので底が取れるケーキ型を使って作ったことがあったのですが、キャラメルが流れ出てしまってすごいことになりました!
下にキャラメルを敷かないタイプのアップサイドダウン だと底が取れるケーキ型でもどうにかなるかもしれませんが、このレシピで作るときはマンケ型や底が取れないケーキ型で作ることをおすすめします。
使用する食材
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キャラメルバナナケーキのレシピ
- Total Time: 1 hours
- Yield: 8人分(20cm丸型 1台分) 1x
Description
完熟バナナに昔ながらの製法で作られる無精製の純粋な黒砂糖・マスコバド糖を合わせ、シナモンのスパイスを効かせたアップサイドダウンのケーキのレシピです。黒砂糖はキャラメル化させる必要がなく、バターと合わせてさっと溶かすだけ、型に流し入れてバナナと合わせればキャラメルの風味とコクが出るお手軽レシピです。
Ingredients
キャラメル
- 40g 有塩バター, (または無塩バター+塩少々)
- 80g マスコバド糖, (または黒糖)
- 3-4本 バナナ
ケーキ生地
- 90g 無塩バター, (常温に戻して柔らかくしたもの)
- 100g カソナード(ブラウンシュガー)
- 2個 卵
- 150g 薄力粉
- 125g ヨーグルト
- 小さじ1 ベーキングパウダー
- 小さじ⅙ 塩
- 小さじ¼ シナモンパウダー
Instructions
準備
- ケーキを焼く10分前にオーブンを175度に予熱します。
キャラメル
- 小鍋にマスコバド糖とバターを入れて中火にかけ、マスコバド糖が溶けてなめらかになってきたところで火を止めて型に注ぎます。(キャラメル化させる必要はありません!)
- 縦半分に切ったバナナを切り口を下にしてキャラメルの上に並べます。
ケーキ生地
- 常温に戻したバターをホイッパーで柔らかく練り、カソナードを加えてさらによく混ぜます。
- 卵を少しづつ加えて混ぜ合わせます。(ここで少し分離したような感じになっても、薄力粉を加えるとまとまるのであまり気にせずに)
- 薄力粉の半分を生地にふるい入れて混ぜます。
- ヨーグルトを加えて混ぜ合わせます。
- 残りの薄力粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダー、塩をふるい入れゴムベラで混ぜ合わせます。
- 生地をキャラメルとバナナが入った型の上から流し入れ、予熱した175度のオーブンで約35-40分焼きます。
*焼いている間にキャラメルが溢れてくることがあるので、下にベーキングペーパーをひいておくと天板が汚れません! - 竹ぐしを中心に刺してみて何もついてこなければ焼き上がりです。オーブンから出して粗熱をとります。
- 手で触れるくらいまで冷めたら型から外します。型の側面にナイフを入れて一周させ、型の上にお皿をあてて上下を返します。
Notes
- マスコバド糖が手に入らなければ、沖縄産の黒糖などで代用してください。
カソナードがなければ黒糖と白砂糖を半々に混ぜ合わせて代用できます。 - このレシピ黒糖を底に敷いてバナナにキャラメル風味をつけているので、普通の砂糖をキャラメル化させるレシピと作り方が少し違います。底に流すキャラメルを作るとき砂糖をキャラメル化させる必要はありません。砂糖が溶けてバターと混ざったくらいで大丈夫です。
- 焼きあがったら粗熱が取れた生暖かいくらいの状態で上下を返します。
- 常温で保存して2〜3日以内で食べきって下さい。
夏の暑い時期は冷蔵庫で保存してください。その場合は180度くらいにオーブンを温めたあと電源を切り、その中に5分ほど置いて少し温まったくらいの状態でお召し上がりください。 - 時間が経つと上面のバナナの色が変わってしまいます。気になるときはカラメルをもう一度作り、上からハケなどで表面に塗ると綺麗になります。
- Prep Time: 20 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 40 minutes
- Category: ケーキ
- Cuisine: アメリカ
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
はちこ
はじめまして。アップサイドダウンケーキで検索して
Chiccaさんのレシピに辿り着き、先日 ようやく作ることができました。
手軽なのにとてもおいしくて感激です。
ひっくり返しも無事に成功しました!キャラメルがトロ~っと流れる様子が嬉しい!記事にコツを書いて下さったおかげです。ただ、焦がし具合が甘くて色とほろ苦さが足りなかったので… そこだけが悔しくて、再挑戦するつもりです。Chiccaさんの写真のように焼けたらもっとおいしいんだろうなぁと悶々としております。
ひとつ質問なのですが、ヨーグルトは水切りしたほうが良いのでしょうか?
今回は水切りせずに使用しました。仕上がりに違いが出るのかしら、と疑問に思ったので教えて頂けると嬉しいです。
Chicca Food
はちこさん初めまして!
レシピに挑戦していただいてありがとうございます!
ヨーグルトは水切りしていません。
私はヨーグルトがないとき生クリームで作ったりもするので、
水切りしていない状態の方がちょうど良い食感になると思います。
焦がし具合はなかなか難しいですよね〜。
私はキャラメルは苦味強めの結構ギリギリまで焦がすことが多いですが、
何回か焦がし過ぎてしまったこともあります。
各家庭のオーブンの具合もあるので、
なかなか時間やオーブンの温度を指定しても同じようにはいかないことが多いですし・・・
焼き上がりの状態を見ながら調節してみてください!
はちこ
こんにちは。はちこです。
お返事、ご回答ありがとうございます。
あれから再挑戦しまして、今回はしっかり色付いてほろ苦さのあるキャラメルに焼き上がりました!
生地はレシピ通りでうまく焼けているので、鍋での焦がし具合を調整してベストな苦さを探っていこうと思います。
ヨーグルトを生クリームで代用するのもおいしそうで試してみたいです^^
Chiccaさんのレシピは使う材料のことやその土地の話も書かれていて、読むだけでとても楽しいです。
トルタ・カプレーゼやポレンタ、知らなかったお菓子にも少しずつ挑戦していこうと思います!
だいすけ
はじめまして。自分は男ですがお菓子作りが好きで、こちらのケーキは3度作りました。レシピありがとうございます。しかしキャラメルがどうしても写真のようにいかないのです。写真ですと濃い飴色で少しカリッと固まっているようにも見えます。
僕のはひっくり返したては近い色味ではあるのですが、1日置くとコーヒー牛乳のような色に変色してしまうのです…。
煮詰め過ぎると固まりすぎてひっくり返した時に型に張り付いていたり。
アドバイスありますでしょうか。
Chicca Food
だいすけさん初めまして!
確かにこのレシピ、普通にグラニュー糖でキャラメルを作ってから型の底に流すのと違って、
マスコバド糖という黒砂糖とバターと溶かしたものを使っているので
キャラメルの色というより黒砂糖の色なのですよね。
もちろんオーブンで焼いているうちにキャラメル化はしますが、
普通の白砂糖を使ってこのレシピで作るとこの色は出ないと思います。
砂糖は黒砂糖を使われていますか?
もし使われていなければ、マスコバド糖など黒色が強い黒糖を使うともっと色が出ると思います。
あとバナナって柔らかくて加熱すると水分が出やすいので、
時間が経つと砂糖に溶け出してどうしてもコーヒー牛乳色になってしまいます。
煮詰めすぎるとバナナの形がなくなってしまいますし、バナナの性質上少し扱いが難しいんですよね。
数日ケーキを持たせる必要がある場合は他の水分が出にくいフルーツに変えるのがおすすめですが、
バナナで翌日以降も綺麗に保ちたい場合はキャラメルを新たに作って上からかけてみると良いかも。
ブログにも書いてますが、このアップサイドダウンはケーキを焼いて粗熱が取れたときにひっくり返してしまうのがコツです。
そうするとキャラメルが型に残らずうまく上面を覆ってくれるので、長い間綺麗な状態が保てます。
だいすけ
お返事ありがとうございます!
コメントを見て、たった今また作ってみました。
今回はどうかというと、 65点位、、。
やはりキャラメル問題。一部がアメとなり台に張り付き、全体的にソースがダマっぽくザラついてて美しくない。。
砂糖は代用で黒糖を使っております。
黒糖とバターを火にかける工程ですが、自分はゴムベラでぐるぐる回しながら4分位?割とすぐブクブクしてくるので香ばしさを出したくてさらに煮詰めてます。
台に入れたらほぼ固まって動かないくらい。
ここのコツってありますでしょうか。なるべく動かさない方がいいとか、煮詰めすぎ とか。
なんか悔しくて、、何度もトライしています笑。
Chicca Food
そうですか・・!
書いていただいた内容から考えると、おそらく、キャラメルの煮詰めすぎではないかと思います。黒砂糖が溶けてバターと一体になったら火から下ろすくらい。
黒砂糖って精製されていないので白砂糖と同じようにキャラメルを作ると焦げてしまうんですよね。出来上がりがダマっぽくザラザラしていると書かれていますが、それは黒砂糖に含まれている砂糖以外の成分が高温で焦げてしまっているのではないかと思います。
なのでオーブンで加熱される時間も考慮すると、黒砂糖が溶けたくらいのころにすぐに火からおろしてしまって、あとは型の中でオーブンで生地と一緒にゆっくりキャラメル化させる、という感じです。
成功を祈っています!
だいすけ
こんにちは!ひさーしぶりに作ってみたところ、今回初めて納得のいく出来で嬉しかったので書かせて頂きます^_^
いつも残してしまうので、今回は分量を×0.7にして15cmにしました。2人だとちょうど良かったです^ ^
いつも納得のいかなかったキャラメル作りですが、飴作りを思い出し、バターの上に黒糖をかけて点火して、ブクブクしてさらに焦げ臭いかな?位まで最後の最後まで一切混ぜないで放置してみました。
型に流してみると、バターが分離して黒糖の粒々も若干残っており、失敗したかな…と思いましたが、ひっくり返して型を抜いたところ、程よい粘度の濃い色のキャラメルソースが綺麗に流れて写真のようにできました!バナナを硬めでねっとりした物を使ったのも功を奏しだと思います。少ない分量で、レシピ通りの焼き時間ってのも良かったと思います。味もほんとに美味しく出来ました!
ようやくコツを覚えて次回は失敗なく作れそうです。
改めて素敵なレシピありがとうございました^ ^
Chicca Food
だいすけさんお久しぶりです!
とうとう納得のいく出来栄え、おめでとうございます〜????
このキャラメルが普通のキャラメルと作り方のコツが違うのでなかなか説明もしづらくて、
うまくいきづらいかなーと気になっていました。
ご報告いただいて安心しました!
おそらく私よりも多い回数作っていただいているのではないかな?と思います。
このレシピ気に入っていただけて嬉しいです!
こちらこそありがとうございました????