イタリア料理の定番、平たく焼いてたっぷりオリーブオイルを塗ったフォカッチャ。おいしくふわふわに仕上がる、本場イタリアのレシピです。
フォカッチャとは
イタリア料理の定番、フォカッチャ。
パンの原型とも言われる平たく焼いたパンで、イタリア全土で作られていて地方によって色々なアレンジがされています。
有名なのは、フォカッチャ発祥ともいわれるジェノバのフォカッチャで、かさが高めなふわふわのパン生地が特徴で、ジェノバの街中には、ピザの切り売りではなく、色々なトッピングのフォカッチャの切り売りが並んでいます。
一方、ローマのフォカッチャはピザ生地に近い薄めのものが多く、プーリアのフォカッチャはミニトマトがボコボコたくさん並んでいるのが特徴です。
そしてどのフォカッチャにも言えるのが、外側のカリカリと内側のふわふわ・オリーブオイルが染み込んだジュワっとした食感があることで、それだけでも十分おいしく食べやすいです。
おいしくふわふわに仕上がるコツ
そんなフォカッチャは、それだけでもおいしく食べやすいのですが、おうちで作る場合、どのようにすれば上手く作れるのでしょうか。
少し手間はかかりますが、おいしく中がふわふわもちもちになるコツは2つあります。
・パート・フェルメンテ(老麺)を加える
パート・フェルメンテとは何??
あまり聞かない言葉ですが、フォカッチャに限らずパン作りをする際に使用する製法で、前日などに作った古い生地を加えます。
前日に仕込むのを面倒に感じるかもしれませんが、『フォカッチャを作る!』と決めた前日の夜に小麦粉、水、イーストをボウルでサッと混ぜ合わせて冷蔵庫に入れておくだけで良いです。それを翌日、フォカッチャ生地を作るときに加えるだけです。
これだけで味に深みも出ますし、発酵も安定するので失敗しにくくなります。今回のフォカッチャだけでなく、パン作り全体に使える製法なので、ぜひ試してみてください。
・じゃがいもを加える
フォカッチャの生地にマッシュしたじゃがいもを入れると、生地がふわふわ・もちもちになります。
イタリアではじめてピザ職人の方に聞いたとき、パン生地にじゃがいもを入れるというのがあまりにも結びつかなくて、聞き間違えたのかと思い何度も聞き直してしまいました。
でも考えてみたら、お好み焼きにすり下ろした山芋を入れるとしっとりとしておいしくなる、そういう感じかと思いました。
ニョッキも小麦粉とじゃがいもでもちもちした食感にしますし、生地をしっとりさせるときにじゃがいもを使うのはイタリアではよくある方法のようで、ピザ生地などにも使われることがあります。
フォカッチャの作り方
前日にパートフェルメンテ(老麺)を作ります
強力粉とインスタントドライイーストを混ぜ合わせ、水を加えて粉気がなくなるまで混ぜ合わせ、冷蔵庫に入れておくだけです。
マッシュポテトを作ります
全ての材料を混ぜ合わせて捏ねます
強力粉とインスタントドライーストを混ぜ合わせ、マッシュポテトを加えてスタンドミキサーにセットして水を少しづつ加えながら混ぜます。
スタンドミキサーの場合、ボウルのふちから少しづつ水を加えて粉がボウルの底に残らないようにします。粉気がなくなったら前日に作ったパートフェルメンテと塩を加えて、生地ののびがよくツヤが出るまでよく捏ねます。
発酵させます
打ち粉をした台の上に生地を取り出し軽く練って表面を張らせます。かなり柔らかめの生地なので軽く粉をふりながら練ります。
軽くオイルを塗ったボウルに生地を入れ、ラップをかけて暖かい場所におき2倍の大きさになるまで発酵させます。
生地を5等分します
5等分すると出来上がりがひとつ15cmくらいの丸いフォカッチャになります。もちろんお好みでそのまま焼いたり、もっと小さく分けても。
生地を丸めます
天板に並べて、手で平たくのばします
発酵させます
生地に軽くオリーブオイルを塗って(ラップが生地に張り付かないようにするため)、ラップをフワッとのせてもう一度30分〜1時間ほど発酵させます。
生地にくぼみをつけ、オリーブオイルを塗りトッピングをのせていきます
オリーブオイルで濡らした指でくぼみをつけてオリーブオイルをたっぷり塗ります。
半分に切った黒オリーブ、ミニトマトをしっかりくぼみに埋め込んで(焼いているあいだに浮いてきてしまうのでしっかりと)塩、ローズマリーをふりかけます。
200度のオーブンで30分ほど焼きます
余熱したオーブンで焼きます。トマトが焼けるまでしっかり焼きます。
フォカッチャアレンジ
フィレンツェに住んでいた時、丘の上にある貴族の別荘を改装して作られたホテルで働いていたことがあり、そこで毎日作っていたフォカッチャのレシピです。当時は他の料理に使った野菜やお肉を混ぜた餡を作り、このフォカッチャの生地で包んで焼いておつまみとして提供していました。私が普段家で作る場合は、天板全体に生地をばっと伸ばして焼き、後で半分に切ってプロシュットを挟んでワシワシ食べます。このレシピで2倍の量を作ると、家庭用オーブンの天板1枚分のフォカッチャが作れます。
パンは焼き立てが最も美味しいですが、余った場合は冷凍してから再度200度程度の高温でオリーブオイルを塗って温め直すと、表面がカリッとして中はよりふわふわになり、一層美味しくなります。実は私は、焼き立てよりも再加熱したフォカッチャが好きです。
最初はセミドライトマトをトッピングにして作ってみましたが、焼いている間に黒く焦げカスカスになってしまいました???? フォカッチャの大きさによりますが、このレシピではフレッシュなトマトを使うと焼いている間に甘さが凝縮されてちょうど良くなります。セミドライトマト(またはドライトマト)を使う場合は、細かく刻んで生地に混ぜ込むと、生地に赤色が付き、それはそれで美味しいです。
あなたの好みの食べ方や食べ頃を見つけて、お楽しみください!
使用する道具
使用する材料
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イタリアで毎日作った本場フォカッチャのレシピ
- Total Time: 15 hours
- Yield: 5 人分 1x
Description
イタリア料理の定番、平たく焼いてたっぷりオリーブオイルを塗ったフォカッチャ。おいしくふわふわに仕上がる、本場イタリアのレシピです。
Ingredients
パート・フェルメンテ(老麺)
- 50 g 強力粉
- 30 ml 水, (ぬるま湯)
- 小さじ¼ (0.75g) インスタントドライイースト
フォカッチャ生地
- 300 g 強力粉
- 100 g じゃがいも, (マッシュ)
- 7 g 塩
- 175 ml 水, (ぬるま湯)
- 小さじ½ + 小さじ¼ (2g) インスタントドライイースト
仕上げ
- 適量 オリーブオイル
- 適量 塩
- 適量 ローズマリー
- 適量 黒オリーブ, (お好みで)
- 適量 ミニトマト, (お好みで)
Instructions
パート・フェルメンテ(老麺)
- 強力粉とインスタントドライイーストを合わせて混ぜ合わせ、水を加えて混ぜ合わせます。
- 軽く捏ねてまとめ、ボールに入れてラップをかけます。冷蔵庫に入れ、一晩かけてゆっくりと発酵させます。
フォカッチャ生地
- はじめにじゃがいもを茹でて皮をむき、フォークでよく潰してマッシュポテトを作ります。
- ボウルに強力粉とドライイーストを入れ、さっと混ぜ合わせます。
- スタンドミキサーにボウルをセットし、水を少しづつ加えながらゆっくりと混ぜ合わせます。水はボウルのまわりから少しづつ加えていき、粉がボウルの下に残らないように完全に混ぜ合わせます。
- 分量の水を入れても粉が残るようなら分量外の水を足し、やわらかいようなら粉を足して調節してください。
- マッシュポテトとパート・フェルメンテ(老麺)を加えて、全てがまとまり生地にツヤが出るまでよく捏ねます。
- オイルを塗ったボウルに生地を丸めて入れ、ラップをかけて暖かい場所で生地が2倍のボリュームになるまで発酵させます。
- オイルをたっぷり塗った天板またはオーブンシートを敷いた天板を用意します。粉をふった台の上に生地を取り出し、カードなどで5等分し生地を丸めて表面を張らせます。
- 生地を天板にのせ手で均等に丸く延ばします。表面が乾燥しないようにやさしくラップをかけ(このときラップが生地に張り付かないようにさっとオリーブオイルを生地の表面に塗ります)30分ほど発酵させます。
- オリーブオイルで濡らした指先で生地の表面全体にくぼみをつけます。その後表面全体にオリーブオイルをたっぷり塗ります。そのあいだにーブンを200度に設定し予熱し始めます。
- くぼみの部分に半分に切った黒オリーブ、ミニトマトを入れます。(焼いているあいだに浮いてくるのでしっかり押し込みます!)
- 塩とローズマリーを全体にふりかけます。
- 200度のオーブンで30分ほど焼きます。
Notes
*このレシピで15cmの丸いフォカッチャが5つできます。
- Prep Time: 1 hours
- 発酵: 13 hours 30 minutes
- Cook Time: 30 minutes
- Category: パン
- Cuisine: イタリア
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
SUGAR&BUTTER
chiccafoodさま、はじめまして。
日本の福岡県に住む、お菓子作りが好きなSUGAR&BUTTERと言います。
少し前に、このブログを見つけ、とても興味深く拝見させていただいています。
きょうは、このフォカッチャを作ったのですが、とてもおいしくて、ダンナにも大好評でした。
他にも、ボタンクッキーとか、いくつかレシピを利用させていただいています。
とてもていねいな説明と、美しい写真、そして日本でお菓子作りをしたことがある方にしかわからない、粉とか砂糖など、海外との違いなどが、とても興味深く、参考になります。
海外の方のレシピの翻訳だと、そういう点がよくわからず、困ることもよくあります。
現地でプロとしてお仕事をされた方ならでは、の視点が、とても面白いです。
料理写真の撮影の仕方まで詳しく出ていて、私はそこまでのレベルにはとても及びませんが、ブログは書いているので、すこしでも上達できれば、と思って読んでいます。
よろしければ、私のブログにこちらを紹介させていただいていいでしょうか?
これからも、どんなお菓子が出てくるか、楽しみにしております。
Chicca Food
SUGAR&BUTTERさま、はじめまして。
サイトを見つけて頂いて、そしてレシピを色々試して頂いてありがとうございます!
SUGAR&BUTTER様のブログも拝見させていただきました!
写真も綺麗で和菓子なども手作りされていてすごい❗️
このブログを始める前に私もexblogを使っていたので、どこか親近感があり懐かしく拝見させていただきました????
もちろんSUGAR&BUTTERさまのブログで使って下さい!
このブログを取り上げていただけるなんて嬉しいです????
これからもよろしくお願いいたします。