フランス・ブルターニュ地方の良質なバターをたっぷり使ったクッキー、ガレットブルトンヌのレシピ
食材の宝庫・ブルターニュ地方
パリの西、大西洋に面したブルターニュ地方は一年中涼しい冷涼な気候でたくさんの美味しいものの産地でもあります。
リンゴを使ったシードルやカルヴァドス、ゲランドの塩や牡蠣、そしてバターなどの乳製品。
バターを使ったクッキーはブルターニュ 地方にいろんな種類があるのですが、今回はベーキングパウダーを使い厚く焼くクッキー、ガレットブルトンヌのレシピを紹介したいと思います。
ゲランドの塩とマルドンの塩
ブルターニュ地方はバターをはじめとした良質な乳製品の産地、また有名なゲランドの塩田もあるのでブルターニュ地方のバターにゲランドの塩の粒が入った有塩バターもスーパーでよく売っていて、それをバゲットなどにそのままつけて食べるとバターの中かからガリっと塩の粒の食感があってとても美味しい。
このバターが手に入らなければ無塩バターにフルールドセル(塩の精華の意味)と呼ばれる天日製塩法で作られるミネラル豊富で穏やかな味わいの塩をふりかけて食べても美味しいのですが、粒が大きめです。
挽いてふりかけてもいいんですが、レストランでよく使っていておすすめなのはイギリスのマルドンの塩。
ここまでフランスのブルターニュ地方の特産品の話をしていたのにイギリスのもので何なのですが。マルドンの塩はピラミッド型の塩の結晶で中が空洞になっているので焼きあがったお肉やサラダなんかにふりかけても塩の味が強く出過ぎることがなく、それでいてカリカリとした食感が出るので仕上げにふりかけるのにぴったりなのですよね。
塩の味自体はゲランドの塩も美味しくて私もほとんどの料理にゲランドの塩を使っていますが、料理の仕上げに少し食感を出したい時マルドンの塩より使いやすい適当なものは今の所ないとう感じです。
ゲランドの塩でも同じような食感のものを出してもらいたいのですが、天日乾燥した塩をそのまま集めたフルールドセルと違いマルドンの塩の方は海水をさらに15〜16時間煮詰めて結晶化させている伝統的製法をとっているので類似品がない模様。
調理にはほとんどゲランドの塩を使っていますが、揚げ物やアンティパストなど、ちょっと仕上げに塩を足す時はマルドンの塩を使っています。
ガレットブルトンヌのバターの量
話がそれてしまいましたが、ブルターニュ産のバターをたっぷり使ったガレットブルトンヌですが、有塩バターが20%程度含まれているものをガレットブルトンヌと呼ぶそうです。
ブルターニュ地方のクッキーは有塩バターを使うべきかな、と最初レシピの全量を有塩バターにしてみたところ、しょっぱすぎて食べられない!計算してみたら私のレシピはバターの配合がかなり多いレシピだったため、バターの配合が約40%弱。それを全て有塩バターにしたらしょっぱすぎるはずですよね。
ガレットブルトンヌのレシピでも有塩バターを使う人も無塩バターを使う人も両方いるのですが、闇雲にどちらかを使わなくてはいけないというよりレシピのバターの配合によっても変わるので気をつけないとと(自分の教訓として)思いました。
有塩バターを使うなら材料の20%以下にする、無塩バターなら塩で調節する、というところでしょうか。
と言ってもフランスのレシピでも塩を加えないレシピもたくさんあるので、普通のクッキーのように塩を加えずにそのまま作っても良いと思います。
ガレットブルトンヌの呼び方
このガレットブルトンヌ、呼び方もいくつかあって日本ではこういう厚みのあるクッキーはガレットブルトンヌという名前で定着していますが、フランスでは厚みのあるものはPalet Breton(パレ・ブレトン)、薄いものはGalette Bretonne(ガレットブルトンヌ)と呼ばれています。
Sablés bretons(サブレブレトン)と呼ばれることもあり、その上ガレットブルトンヌというそば粉のクレープもあるのでかなり混乱します。今回は日本で定着しているガレットブルトンヌの呼び方で統一しています。
ガレットブルトンヌ、タルト台に応用できる!
フランスのガレットブルトンヌのレシピを見ていくと、ベーキングパウダーの配合がかなり多いのに気がつきます。ベーキングパウダーを多くするとよく膨らみ、冷えると中央が凹んできます。そうするとそこにクリームを詰めたりできてタルトの代わりになるんですよね。
ガレットブルトンヌをタルト代わりに使えたら生地を型に敷き込む手間がないのでクリームとフルーツでデコレーションすれば手軽にデザートができるので便利です。
ただ私はベーキングパウダーを必要以上に加えると焼きあがってから舌にピリピリと刺激を感じたので若干量を少なくしています。なのでこのレシピではあまり中央は凹みませんが、ホイップクリームとラズベリーでなんとかデコレーションできました。
タルト型より手間もかからないし、厚みもあり表面にドリュールを塗っていればクリームをトッピングしてからもサクサクが続くので使い易いです。
使用する材料
使用する道具
セルクル型は6cm〜7cmくらいが使い易い大きさで一人分のケーキを組み立てるときや焼き菓子などに使えます。セルクル型がない場合、タルトリングやアルミカップ、マフィン型など、高さが1〜1.5cmの型でも作れます。
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ブルターニュのバターたっぷりクッキー・ガレットブルトンヌ
- Total Time: 40 minutes
- Yield: 10 個(6.5cmのセルクル型) 1x
Description
フランス・ブルターニュ地方の良質なバターをたっぷり使ったクッキー、ガレットブルトンヌのレシピ
Ingredients
ガレットブレトンヌ生地
- 150 g 無塩バター, (常温)
- 100 g グラニュー糖
- 2 個 卵黄
- 200 g 薄力粉
- 小さじ1 (4g) ベーキングパウダー
- 4 g 塩
仕上げ用(ドリュール)
- 1 個 卵黄
- 少々 水
Instructions
- ボールに柔らかいバターとグラニュー糖を入れ混ぜ合わせます。
- 卵黄を加え、さらに混ぜます。
- 薄力粉、ベーキングパウダー、塩も加えてゴムベラでさっくり混ぜ合わせます。
- ひとまとめにし、ラップに包んで冷蔵庫で30分以上休ませます。
- 冷蔵庫から取り出し、二枚のオーブンペーパーに挟んで1cmの厚さに伸ばします。
- セルクルで型抜きをします。
- 卵黄と水を溶いたもの(ドリュール)を表面に塗ります。
- フォークで表面に模様をつけます。
- オーブンペーパーを敷いた天板に生地を並べて、もう一度セルクル型に入れます(なければそのままでもいいです)。
- 180度のオーブンで20分ほど焼きます。
Notes
型はセルクル型をはじめタルトリング、アルミカップ、マフィン型などでも作れます。
- Prep Time: 20 minutes
- Inactive Time: 0 hours
- Cook Time: 20 minutes
- Category: 焼き菓子
- Cuisine: フランス
Nutrition
- Serving Size: 1 grams
- Unsaturated Fat: 0
Yoriko
ベイクドレアチーズ用に、クッキー型で抜いて作りました。
うちのオーブンでは温度が高かったのか、焼き色重視で焼いた1回目はセルクル無しだからなのか焦げ気味。2回目は171度でキツネ色になるまで焼きました。
味はとても美味しかったです!パウンドケーキ型で焼いたベイクドチーズケーキをスライスしたものと、このクッキーを砕いた物、あと主人の要望で急遽作った2種類のベリーソース(苺とブルーベリー、べラックベリー)を添えていただきました。家族もとても喜んでくれました!次回はアルミカップで作ってみます☺️いつも美味しいレシピをありがとうございます!
Chicca Food
Yoriko様、レシピ試してもらってありがとうございます!旦那様にも喜んでいただけたようで良かった!オーブンの温度はオーブンごとにクセがあって難しいですよね。私が今使っているオーブンも上面の焼き色が濃く出るタイプで、180度で焼くと焼き色が強く出ることが多いです。今まで使っていたオーブンはそんなことはなかったのでレシピにはより一般的な180度と書いていますが、yorikoさんが使っているオーブンのタイプが焼き色がつきやすいタイプだったら180度とレシピに書いてあっても全て170度くらいで焼いた方が良いかもしれません。